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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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『ザ・万遊記』
『ザ・万遊記』は、万城目学のエッセイ。「湯治と観戦」シリーズ、サッカー観戦・オリンピック観戦に関するエッセイ、「渡辺篤史のお宅探訪」に関するエッセイ、およびに作品の映像化に関するエッセイが収録されています。

スポーツ好き、渡辺篤史のお宅探訪好きにとってはたまらないのかもしれないけど、あまり面白いとは思えなかったです。きわめて、まともだからです。面白くないわけではないのだけど、これといって引っかかるところがないのです。

万城目学だからこそ書けたエッセイ、ではない気がします。万城目学の感覚が、世間で言われているような「普通」ときわめて近いように思えるから、逆に、面白くないのではないか。森見登美彦のような面白さはない、というか。

しかし、かえって、万城目学という人を身近に感じることができて、良いのかもしれません。

読んでみると、万城目学という人は真面目なのだということがよく分かります。


読んだ本
万城目学『ザ・万遊記』

読んでいる最中
野尻抱介『沈黙のフライバイ』
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340ナ・バ・テア
★★ 森博嗣

339美味礼讃
★★★★ 海老沢泰久

337
★★ 麻耶雄嵩

338自由とは何か? 「自己責任論」から「理由なき殺人」まで
★★ 佐伯啓思

336仮題・中学殺人事件
★ 辻真先
★★

著者:  森博嗣
出版社: 中央公論新社

  飛行機に乗り、戦う「ぼく」が主人公。「ぼく」は、空でしか笑うことができません。「生きる」ということにたいして深い意味を見出すことはないし、ただ飛ぶことだけが目的なのですが・・・

  要約することが非常に難しい作品。

  「スカイ・クロラ」シリーズ第2巻。『スカイ・クロラ』以前の物語。時系列的には一番最初の作品になるのではないか。そういえば、『ナ・バ・テア』単行本の表紙は、印象的な紅い夕焼け。『スカイ・クロラ』の青空の表紙とは、対照的です。

  詩的というかなんというか、非常に淡白ながら凝った表現で埋め尽くされています。いくら読んでも、視界は澄み切っているのに何も見えない感じ。だからもやもやします。そもそも登場人物たちの過ごす世界は、どのような感じなのか分かりません、少し困惑します。しかし、そこらへんのことがだんだんどうでも良くなってきます。

  それで、最後には、主人公自身の描き出す狭い「純粋」な世界のみが残されます。独特の雰囲気。悪くはないのだけど、好きでもない。

  謎だらけ。いろんなことが分かりません。それらのことが解決されることは多分ないかも知れない、と思ったら3巻『ダウン・ツ・ヘヴン』というものがあったので、そちらへ進んでいってもやっぱりすっきりしないです・・・ う~ん、結局のところなんなんだ。


自森人読書 ナ・バ・テア
★★★★

著者:  海老沢泰久
出版社: 文藝春秋

  『美味礼讃』は一応フィクション。辻静雄と言う人の半生を描いた重厚な小説。

  でも、主人公の辻静雄は実在の人物。フランス料理研究家。美味しいものを追求するために、一生を捧げた人です。

  辻静雄は日本に本当のフランス料理というものを持ち込み、それまでのでたらめな「西洋料理」を駆逐しました。そして、それだけでなく父の学校を引き継いで発展させ、辻調理師学校を設立、優れた料理人をたくさん育成していきました。最期は色々食べ過ぎて肝臓を悪くして死去。

  美食というのは怖いものだなぁと感じました。料理の世界はとにかく残酷らしいです。とにかく古くなったらもうおしまい、味が落ちたらもうおしまい、という世界だから、もうみんな必死で蹴落としあうわけです。壮絶です・・・

  あと、辻静雄らは料理の研究のために何千万・何億円とお金をつぎ込むわけですが。地球の裏側では何万という人が餓死している一方で、日本では美食のために金が山積みされているこの世界と言うのはいったいなんなのか、と感じました。

  食べるという行為の意味自体が場所によって全く異なるわけです。一方の場所においては生きるためであり、もう一方の場所においては楽しむため。楽しむのが悪いとは思わないけど、物凄い差です。「辻の美食はブルジョアの真似事だ!」と吠える辻静雄の元同僚の記者がいるんだけど(嫉妬から言ったとしか思えないけど)、ある程度は共感します。

  しかし、辻静雄が「料理は芸術だ」というふうに言って、金に糸目を付けないところはやっぱり凄いとは感じました。日本の食を変革した、辻静雄の静かでありながら凄まじい人生を淡々と描いたところが素晴らしいです。


自森人読書 美味礼讃
★★

作者:  麻耶雄嵩
出版社: 幻冬舎

  兄・珂允(カイン)は、弟・襾鈴(アベル)の死の謎を解き明かすため、地図にない異郷の村へと向かいます。しかし着いた途端に鴉の大群に襲われ、負傷。千本頭儀という長の人の世話になります。ですが殺人事件が相次ぎ、「外人」である珂允が疑われ・・・

  探偵・メルカトル鮎が登場する作品。

  舞台は閉鎖的な村。そこで栄えているのは錬金術や五行思想。村において絶対的に力を持つのは、神のような存在「大鏡」。そしてそれを称えるものとして存在する村をあげてのお祭り・薪能。生まれてきたら徹底的に排斥される「鬼子」という存在。そういった設定が、不気味な雰囲気を醸し出します。

  ちょっと長すぎ。淡々としているので、読み続けるのが苦痛になってきます。

  とはいえ、読み終わった瞬間には頭がパンクするかと思いました。凄かったです。仕掛けられていた物語自体の衝撃的なトリックには驚かされました。思わず、最初のページからパラパラめくって読み直してしまいました。そういうことか・・・ と納得して、凄いや、と改めて感じました。

  新本格ミステリというものの集大成とも言えるような作品。

  良くも悪くも本格ミステリ。絶対にありえないだろう不気味で閉鎖的な村や、シルクハットにタキシードという格好をした探偵メルカトルや、物語自体の長大さに納得できる人にはおすすめ。僕は少し辟易しました。クライマックスは楽しめたけど、そこまで読むのが辛かった・・・


自森人読書 鴉
『天地明察』
渋川春海は、幕府碁方初代安井算哲の子です。本名は、安井算哲。本因坊家などとともに、幕閣や諸大名等に碁を指導し、将軍に碁を上覧することを勤めとしていました。ですが、彼はその生活に飽き、算術、暦、天文などに興味を持ちます。そして、あるとき、数学の天才・関孝和の力量に触れ、それに感動し、算術の世界へ踏み出していきます。それから、名君・保科正之などに出会い、暦の改定という大仕事に取り組んでいくのですが・・・

歴史小説。江戸時代初期のことがわかって、非常に面白いです。

物腰が柔らかい主人公・渋川春海は魅力的。そして、彼の傍にいた、えんという女性や、武断の世を文治の世にかえていった名君・保科正之とその周囲の人々も、みな印象に残るし、好感が持てます。なかなか登場しない天才数学者・関孝和の存在感も、なんというか良いです。登場人物が、みな心に残るのです。

渋川春海は、宣明暦の改定に取り組みます。日本では、宣明暦が、800年前から使われていたのだけど、微妙な誤差があったため、渋川春海が生きていた頃には、2日のずれが生まれてしまったのだそうです。

しかし、暦の改定は簡単ではありません。なぜならば、暦の改定は莫大な富をもたらすし、暦自体が権威や権力と結びついているからです。幕府と、朝廷と、藩と、様々な宗教団体がみな納得しなければそれは為しえません。とくに、秘教的な朝廷は神経質です。幕府からみこまれた渋川春海の前には、朝廷が立ち塞がります。しかし、渋川春海は周りの人たちに支えられ、どこまでも突き進んでいきます。

日本語としておかしい部分が散見されます。それが、気にかかりました。

第7回本屋大賞受賞作、第31回吉川英治文学新人賞受賞作。


読んだ本
冲方丁『天地明察』

読んでいる最中
野尻抱介『沈黙のフライバイ』
そういえば、自由の森学園体育祭2010のテーマは、

真っ赤に燃えるぞ青春エキゾチック

むかし、自由の森学園は「競争原理を超えて」「自由と自立」を大切にするのだといっていた。教育界に吹き荒れていた「管理と抑圧」に対抗するため、その言葉を用いたのだろう。
下からの突き上げとしての「自由と自立」だった、といえる。

しかし、今では同じ言葉を、様々な立場の人たちが使っている。新自由主義というものがあるけれど、それは市場原理主義とグローバリゼーションを称揚し、推進し、そして、小さな政府を目指す考え方である。国家とときの与党とマスコミが「自己責任論」を唱えた。それは、国家や社会の役割を縮め、個々人に重い責任を負わせるものである。自立支援法という法律は、障害者に負担を押し付けるものである。
むしろ、上にある人たちが都合よく、自由や自立といった言葉を用いている、あるいは規定しているといっても良い。

そこで、自由の森学園は、「観(もののみかた)の教育」と言う言葉を用いるようになった。あるいは、「自由への森」という言い方をするようになった。

今では、さらにかわり、「豊かな表現力」「多角的な視点」「プレゼンテーション能力」「探究心」「健康な肉体と体力」「コミュニケーション力」といったものを目指すことになっているらしい。キャッチコピーっぽいキャッチコピーになったのだといえる。


「自立」という言葉は吉本隆明という評論家が好んだものである。
吉本隆明は遠山啓の弟子にあたる。現実から遊離した抽象的な概念を、まがりくねった迷路のような文体に組み込みつつ、自在に駆使した。様々なジャンルの人間と渡り合い、それが故に戦後の思想界をリードしたといわれる。
★★

著者:  佐伯啓思
出版社: 講談社

  リベラリストの唱える「自由」というものを、絶対的なものとして捉えず、その問題点を指摘する本。これまで人間は善を軸にして自由を追求してきたけれど、善というものが消失した今、自由の価値が失われたし、自由というものを人間は制御できなくなると著者は説きます。リベラリズムは、イラク戦争も援助交際も阻止できない、だからこそ、今大切なのは共同体の「義」である、と続きます。

  要するに、自由の限界を指摘しているわけです。

  とても参考になります。理解できない部分もあったけど、新書だから哲学書みたいに難解なわけではありません。

  途中まではそうだよなぁ、と思いつつ読んでいました。ある程度は賛成できる部分もありました。

  ただし最後に登場する「義」とはいったい何なのか分からなかったです。社会のためには犠牲者が必要であり、それらの犠牲者に対する責務、共同体に対する責務が我々にはあり、それが義らしいんだけど。ようするに道徳心みたいなものを義と呼んでいるのかなぁ。その義とは東洋的なものなのだと著者は言うけれど、いまいち明確ではありません。

  正直言って、最終的に納得できなかったというか、何が言いたいのか理解できませんでした。すっきりしないなぁ・・


自森人読書 自由とは何か? 「自己責任論」から「理由なき殺人」まで
自由の森学園 体育祭
5月29日(土)

自由の森学園 体育祭2010があります。楽しみです。

今日、騎馬戦と棒倒しの第1回顔合わせがありました。


作者:  辻真先
出版社: 東京創元社

  冒頭で「読者が犯人」と宣告するミステリ小説。

  可能キリコ(スーパー)と牧薩次(ポテト)が活躍するシリーズの第1作目。

  なかなか面白かったです。ただし、いろんな人が絶賛するほどに凄いとは感じられませんでした。キャラクターの描写はペタペタ貼り付けたみたいに類型的だし、文章も粗いし(しかもそれを、「作中の子どもが書いたものだから」ということで正当化するところはどうも納得できない)。

  あと「読者が犯人」という衝撃的な最初の宣告が、一種の騙しにしかなっていないような気がしました。鯨統一郎の『パラドックス学園』の方がさらに凄かったです。あの『パラドックス学園』の最強さに匹敵する作品なんて、どこにも存在しないのではないか・・・ まぁあの作品(のバカバカしさ)と比較するというのは酷だけど。

  『仮題・中学殺人事件』は、ちょっと整っていないジュブナイルと言う感じです。もう少し洗練して欲しかったなぁ。とはいえ、こういうトリッキーなミステリ小説を自身のデビュー作としてもってきた辻真先という人は凄いなぁ、と思います。

  辻真先のデビュー作。一読の価値はある凝った作品。


自森人読書 仮題・中学殺人事件
『桜さがし』
連作短編集。『一夜だけ』『桜さがし』『夏の鬼』『片思いの猫』『片思いの猫』『翔べない鳥』『思い出の時効』『金色の花びら』収録。

物語の舞台は京都。中学時代同じ新聞部に属していた成瀬歌義、大河内まり恵、安枝陽介、田津波綾は、恩師の浅間寺に誘われ、京都の山奥にあるログハウスに赴きます。綾は十年にわたって初恋の人・陽介を思い続けています。一方、まり恵はこれまでつきあっていた歌義を置き去りにして同じ会社の人から結婚指輪を貰っていました。そして、歌義はなかなか司法試験に合格できず、苦しみ・・・

青春ミステリ。

爽やかな青春群像劇になっています。綺麗にまとまっています。ミステリ仕立てにしなくても良かったのではないかと感じてしまうほど。しかし、ミステリとしても非常に面白いです。とくに『一夜だけ』が秀逸。あるキノコの特徴が、犯罪を暴く鍵になります。

京都が物語の舞台になっているのだけど、それが活かされています。

とくに、4人の恩師・浅間寺が印象に残ります。彼は中学教師でした。しかし、新人賞を受賞して小説家になり、教師をやめ、自然の中で生活していくことにします。浅間寺のような暮らしができたら楽しいだろうなぁと感じます。

集英社。


読んだ本
柴田よしき『桜さがし』

読んでいる最中
冲方丁『天地明察』
『子どもにつたえる日本国憲法』
井上ひさしが、日本国憲法前文と九条を平易な日本語に訳したもの。非常に分かりやすいけれど、それでも子供には理解しづらいような気もします。

いわさきちひろの絵がきれいです。


読んだ本
井上ひさし、いわさきちひろ『子どもにつたえる日本国憲法』

読んでいる最中
柴田よしき『桜さがし』
『どこに思想の根拠をおくか』
『どこに思想の根拠をおくか』は、対談集。「思想の基準をめぐって」という吉本隆明の文章があった後。それから、「どこに思想の根拠をおくか」ということで、鶴見俊輔と吉本隆明の対談が載っています。

それから、「日本的戦後のジレンマ―文学者の死と政治―」磯田光一/吉本隆明、「文学と思想の原点」江藤淳/吉本隆明、「家・隣人・故郷」小川国夫/吉本隆明、「思想と状況」竹内好/吉本隆明、「現代における思想と実践」松原新一/吉本隆明、「現実と詩の創造」粟津則雄/吉本隆明、「言語表現としての芸術―詩・評論・小説―」清岡卓行/吉本隆明、「島尾文学の鍵」島尾敏雄/吉本隆明、「傍系について」島尾敏雄/吉本隆明、「都市は変えられるか」磯崎新/吉本隆明、「勝海舟をめぐって」江藤淳/吉本隆明、「私はなぜ批評家になったか」柄谷行人/吉本隆明などが集められています。

勝海舟をめぐって、江藤淳と吉本隆明が、様々なことを言い合っています。それが非常に面白いです。

剣客としても、政治家としても、文学者としても超一流とはいえないのに、なぜか時代の移り目を泳ぎ切り、それを左右した勝海舟は、不思議な人です。江藤淳が「勝海舟はつまり政治的人間だったのではないか」と推測します。政治的人間といういいまわしは、よく分かるようで分からない気もします。文学者ではなく、立ち回りが巧みな人だったということか。

最後に柄谷行人との対談が載せられているのが印象的。


読んだ本
吉本隆明対談集『どこに思想の根拠をおくか』

読んでいる最中
柴田よしき『桜さがし』
『アメリカ文学史のキーワード』
「コロニアリズム」「ピューリタニズム」「リパブリカニズム」「ロマンティシズム」「ダーウィニズム」「コスモポリタニズム」「ポスト・アメリカニズム」といったキーワードから、アメリカというものを見つめていこうとします。文学のみならず、社会や政治のことまで綴られています。まずは、1000年前まで戻り、ヴァイキングたちがアメリカ大陸を「ヴィンランド」と名付けたときから、考え始めていきます・・・

文芸評論。

アメリカ文学の正史自体をさほど知らないので(『アメリカ文学史のキーワード』で少しは触れられている)、なんともいえないのですが、非常に面白いです。読み応えがあります。複雑なアメリカ文学というもののことがおぼろげながら見えてきます。読んでいると、アメリカ文学史は、そもそもまとめきれるものではないような気もします。

しかし、時代も場所も横断し、超越し、文学というものについて考え、それをまとめていこうとするのは楽しいです。

物語のようになっていて、筋があるところも良いです。

むろん、『白鯨』にも触れられています。白鯨の色には、様々な意味が込められているのだそうです。メルヴィルは、白を「いかなる意義にも容易には還元しえない多義的な象徴として設定した」、つまり、高貴や歓喜といったイメージを呼び起こす一方で邪悪や恐怖をも連想させているのだそうです。さらには、白は、白人を連想させ、白鯨の敗北は白人の敗北を連想させ、というふうになっているのだそうです。深いです。

とくに、面白いのは、最後の「ポスト・アメリカニズム」の章。


読んだ本
巽孝之『アメリカ文学史のキーワード』

読んでいる最中
吉本隆明対談集『どこに思想の根拠をおくか』
再読。
『失踪日記』
吾妻ひでおの実体験をもとにしたマンガ。自殺未遂、ホームレス生活、禁酒に取り組んだ日々のことなどが面白おかしく描かれています。決して面白おかしい日々ではなかったと思うのですが、それを冷静に突き放して見つめているところが凄いです。シャレにならないようなことをシャレにしている、といえばいいのかなぁ。

シビアな現実を、スルリと切り取るところが良いです。読んでいて楽しいのだけど、なんというか溜息をつきたくなります。

丸っこくて可愛い絵柄が特徴的。

やっぱり、物凄く面白いです。


読んだ本
吾妻ひでお『失踪日記』(再読)

読んでいる最中
巽孝之『アメリカ文学史のキーワード』
6月20日に、銀座パレードというものがあります。

民主党は公約として、「高校を無償にする」ということを掲げていました。しかし、結果として12万円(25万円)の補償となり、公立は無償、私立には多額のお金がかかる状態が生まれました(実は授業料無料であって、公立でもお金がまだまだかかるみたいだけど)。

私立に通わせている親と公立に通わせている親は、基本的に、同じように、税金を払っているはずです。
なのに、公立と私立に対して与えられる税金の量が全く違うわけです。
それは不平等ではないか、と訴えるのがパレードの趣旨。

学ぶ権利は誰にでもあるのではないか。

お金がないために、退学していく人がいる、今の状態は間違っているのではないか。

卒業するまで、一緒に学んできた人たちとともに、同じまなびやで学ぶ方が、高校生にとって、より良いのではないか。


まぁだいたいそういうことだと思うのですが。
具体的には、何かの替え歌とか歌いつつパレードするはずです。

3000人くらいきたら良いなぁ、といっているそうですが。そうしたら面白いなぁ・・・
そういえば、「マガジン9」がリニューアル。
みきれないくらい色々あって、面白いです。

雨宮処凛の書いていることが面白いです。

マガジン9 http://www.magazine9.jp/
『「星の王子さま」で学ぶフランス語文法』
フランス語って難しいのだなぁと感じました。男声名詞と女性名詞があるのか・・・ 『「星の王子さま」で学ぶフランス語文法』自体が中級向けの本なので随分と難しかったです。もう少し基礎的な本から読んでいくべきか。

『鋼の錬金術師 23』
鋼の錬金術師はやっぱり面白い、と感じます。


読んだ本
三野博司『「星の王子さま」で学ぶフランス語文法』
荒川弘『鋼の錬金術師 23』(再読)


読んでいる最中
吾妻ひでお『失踪日記』
『四捨五入殺人事件』
新鋭作家・藤川武臣と大作家・石上克二は、課長補佐に導かれ、東北の地方都市・成郷市へ赴きます。講演が控えていたからです。二人は、鬼哭地区にある高屋旅館へいきます。ですが、大雨のため、橋が落ち、石上克二は、鬼哭地区に閉じ込められてしまいます。そして、怒るのですが、美しい女主人・織田加代をみて機嫌を直します。ですが、殺人事件が巻き起こり・・・

井上ひさしのミステリ小説。

文体は軽快。サクッとしていて読みやすいです。ミステリとしてもそれなりに面白いです。よくできたクローズド・サークルなのですが、それだけでは終わらず、反転が待っています。

アガサ・クリスティを意識しているようですが、同じように練られています。最後の謎解きには驚かされます。

ミステリではあるのですが、農業問題にも触れられているし、それが本筋に絡んできます。日本の農業が廃れていくのには、どのような原因があるのかということが分かります。ずしりと重いです。非常に考えさせられます。

なのに、本としては、薄いです。すぐに読めてしまいます。それが良いです。


読んだ本
井上ひさし『四捨五入殺人事件』

読んでいる最中
三野博司『「星の王子さま」で学ぶフランス語文法』
遠藤豊は、理科の教師。自由の森学園設立を推進した一人。

1925年、栃木県矢板市に生まれる。栃木県矢板中学校・船生中学校教諭、宇都宮大学附属学校教官などを経たのち、1962年に明星学園小中学校教諭になる。1975年、明星学園小中学校校長になる。「点数による序列化廃止」を掲げた。すでに出来上がっている規格化された知識を子供に注入することに意味はないと訴えた。

しかし、明星学園で、内部進学テストが実施されることになる。さらに、1982年には「公開研究会」が中止になった。それに反対した遠藤豊は無着成恭、松井幹夫とともに、明星学園を去った。そして、自由の森学園を設立。

1985年から、自由の森学園学園長になった。

自由の森学園の情報って、けっこう流通しているのかなぁと思うこともあるのですが、どうなのだろう。まぁ、他の学校に比して、いろいろと書かれているのかなぁ。まぁ良いことが書いてあるページがあるかと思えば、逆にこき下ろすようなものもあるので、難しい・・・ それで釣り合いが取れているかというと別にそういうはなしではない気もするし。
335星降り山荘の殺人
★★★★ 倉知淳

334獣の奏者I 闘蛇編
★★★ 上橋菜穂子

333翼はいつまでも
★★★★ 川上健一

332袋小路の男
★★★ 絲山秋子

331長門守の陰謀
★★★ 藤沢周平
★★★★

著者:  倉知淳
出版社: 講談社

  広告代理店勤務の杉山和夫は上司を殴ってしまい、タレントのマネージャー見習いという微妙なところに左遷されます。最初の仕事は、スターウォッチャー・星園詩郎の付き人。和夫は、星園詩郎に従って山荘へ赴きます。楽しい旅行になるかと思いきや、その山荘はあまり良いところではなく、しかも吹雪によって閉じ込められてしまいます。さらに、突如として連続殺人事件が発生。さて、いったいぜんたい犯人は誰なのか・・・?

  山荘に集まったのは、《ヤマカンムリ開発》社長・岩岸、岩岸の部下・財野政高、スターウォッチャー・星園詩郎、「UFO研究家」嵯峨島一輝、作家・草吹あかね、あかねの秘書・早沢麻子。あと女子大生2人組ら、個性的な面々。

  物語の舞台は、秩父。埼玉の奥の方。

  クローズド・サークル。著者は、「本格ミステリ」だということを強く意識してこの作品を書いたみたいです。だから他作品のパロディみたいな部分がたくさんあります。そこらへんは、ミステリを読みなれた人でないと楽しむことができないかも知れません。

  ラノベっぽい文体が醸し出す軽妙な雰囲気はとても良いです。それと、徹底的なまでのフェアプレイは凄いや、と思わされました(実は、唖然とさせられるような仕掛けがあるんだけど・・・)。

  「傑作」とは思えませんでした。どれもこれも使い古しというか、以前見たことがあるネタばかり。どうしてもインパクトに欠けます。古くからあるテーマ(「吹雪の山荘における連続殺人」)をそのまま用いて、面白い物語を構成するのはやはり難しいのだなぁ、と強く感じました。あと、冗長で、小説としてはいまいち。

  「ミステリ史に残る、意欲的な本格ミステリ作品(でも小説としては不満あり)」という感じかなぁ。


自森人読書 星降り山荘の殺人
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