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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★

著者:  田中芳樹
出版社: 角川文庫

  舞台は中世ペルシャ風の世界・パルス。主人公は王子・アルスラーンです。2部構成で、ルシタニアに征服されたパルスを救うべく王子、アルスラーンが立ち上がり、それを成し遂げるまでが第1部(ここまでで6巻)。伝説の中から蘇った蛇王ザッハークとの戦いが第2部です。まだ完結していません。

  長い物語なので、あらすじを説明していくと長くなるのですが。まぁ一言で説明するならば、王子アルスラーンと彼のもとにじょじょに集う十六翼将たちが、敵を倒していくおはなしです。

  最初は、ルシタニアとの戦いから始まります。パルスはアルスラーンの父・アンドラゴラス三世の時代にルシタニアによって征服されてしまいました。ルシタニアは、イスラムを侵略した十字軍のイメージで、宗教を盾にして平然と蛮行を行い、むしろそれを功績のごとくに言う軍隊です(異教徒の赤子を何人殺したから俺は偉い、と赤子殺しを正当化したりする)

  アルスラーンは、そんなルシタニアと戦うことを決意します。さのとき、彼を支えたのが、ダリューンとナルサスでした。ダリューンは黒衣の騎士として、他国にまで名を馳せる勇将で、戦いではほとんど最強といっても過言ではないほどの強さを誇ります。ナルサスは政治・軍事両方に長けた智将です。ただし絵がものすごく下手・・

  その2人を筆頭に温厚で人柄のいい少年、アルスラーンのもとには続々と人が集まってきます。そんなアルスラーンの敵はルシタニアだけではありませんでした。父であるアンドラゴラス三世は、アルスラーンの力が強大になるのを恐れてか、冷たく扱い、その上アルスラーンの積み上げた実績を全て自分のものとしてしまいます。

  そして、ヒルメスも、アルスラーンの邪魔をします。銀色の仮面をつけた、ルシタニア人の下で働く男です。実は彼は、王族の一員で、武勇に優れた人物でした。途中でルシタニア人を裏切り、パルス再興を目指します。

  そんな感じでアルスラーンが王になるための道程は決して楽ではありません。けれども、最終的には、その懐の深さから全ての困難を越えていきます。

  第2部はアルスラーンが王になってからの物語です。暴虐を尽くしたと伝説で伝えられている蛇王ザッハークが封印を破り、復活しようとするのです。それをとめられるのはどうやら王であるアルスラーンだけらしい。またもや、アルスラーンに危機が襲い掛かります。それをどうやってふり払って進むのか?

  まだ物語は完結していません。続きが楽しみです。でも田中芳樹はなかなか続きを書かないことで有名な作家だからなぁ。いつ完結するんだろう・・・

自森人読書 アルスラーン戦記シリーズ
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