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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★

著者:  道尾秀介
出版社: 角川グループパブリッシング

  『鬼の跫音』は、道尾秀介の短編集。『鈴虫』『(ケモノ)』『よいぎつね』『箱詰めの文字』『冬の鬼』『悪意の顔』収録。

  『鈴虫』
  警察官が私のものに現れたため、私は11年前に起こったS殺人事件のことを思い出します。あのときのことを知っているのは鈴虫だけのはずなのに・・・

  『(ケモノ)』
  出来の良い家族の仲で、僕だけが穀潰しなので蔑まれていました。僕はある日、椅子の脚を折ってしまい、中からSのメッセージを発見します。

  『よいぎつね』
  私は二十余年ぶりに街へ戻ってきます。しかしかつて肝試しとして女を陵辱したことを思い出し、恐怖に震え・・・

  『箱詰めの文字』
  小説家である私のもとに青年が現れます。彼は、「あなたの部屋から盗んだ招き猫の貯金箱を返しに来ました」と告げるのですが、しかし私には心当たりがなくて・・・

  『冬の鬼』
  鬼の跫音が聞こえてくる・・・ 日記を振り返っていくと恐るべき事実が明らかになります。

  『悪意の顔』
  陰湿ないじめを繰り返すSに私は辟易させられるのですが。

  ホラーのようなミステリのような作品ばかりが収められています。非常にどす黒く、基本的に薄暗いです。少し江戸川乱歩を連想するし、あとは黒い水脈系統の作家たちの影響も感じます。虫や鳥獣がわざとらしく登場するところが印象的。

  そういえば、Sという人物がどの短編にも登場しますが、同じ人物ではありません。もしかしたら、悪意と狂気を体現した存在なのかなぁ、と感じます。

  あまりこういう黒い小説は好きではないし、全体的に玉石混交という感じだし、道尾秀介の巧みさが全面的に発揮されているとは思えませんでした。とはいえ、仰天させられるものもありました。『冬の鬼』のオチは怖かったです。


自森人読書 鬼の跫音
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