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★★★

著者:  菊池寛
出版社: 文藝春秋

  『日本武将譚』は、タイトル通り日本のいろんな武将を、史実に沿って紹介していくもの。簡潔で、すぱっとした文章が小気味いいです。登場するのは、平将門、(源)八幡太郎義家、(源)木曾義仲、源義経、楠木正成、太田道灌、北条早雲、明智光秀、黒田如水、伊達政宗、加藤清正、石田光成、謙信と信玄。だいたい平安時代の終わり頃から、江戸時代の始まり頃までに活躍した武将たちです。

  そして、最後にちょっと物語風の「秀吉と政宗」というのがくっついています。2人ともそれぞれ魅力的な人物です。菊池寛は、豊臣秀吉と伊達政宗のことが気に入っているのかなぁ、多分。

  北条早雲も登場。僕がけっこう気に入っている人です。北条早雲は、それまで力を持っていた守護から、関東を奪い取った戦国大名の先駆け。つまり戦国時代を切り開いた男なわけです。しかし、一度も大河ドラマにされていません。いたのかも分からない山本勘助ではなくて、北条早雲を大河ドラマにして欲しいのになぁ・・・

  この『日本武将譚』を基礎にして、厚い歴史小説を書いたら面白そうだと感じました。いや、もうとっくの昔に全部誰かがやってしまっているか。今では、歴史小説は一大ジャンルとなってしまっていて、小説の題材になっていない時代というのはもはや存在しないといってもいいほどです。昔は、脚光を浴びることが少なかった南北朝時代を舞台にした小説だってけっこうでてきています(その筆頭が、北方謙三かなぁ、たぶん)。

  そういえば、これまでは菊池寛と聞くと芥川賞・直木賞を創設した人というイメージしかなかったけど、『日本武将譚』を読んだ後、興味を持ったので、彼がどんな人なのか調べてみました。

  彼は、大正・昭和の大人気作家。今にまで脈々と続く「文壇」の代表格のような雑誌『文藝春秋』を私財を投じて刊行した人なのだそうです。さらに、大映(映画会社)の初代社長に就任したり、多方面で活躍、「文壇の大御所」といわれていたらしい。しかし、太平洋戦争後は戦争協力の責任を問われて公職追放になり、そのまま死去。一時期、彼の作品群はかなり冷遇されたみたいです。今でも、冷遇されてるのかなぁ・・・ あまり見かけない気がする。


自森人読書 日本武将譚
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