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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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ジモリンピックのことを書いたので、「ジモリ」絡みということで『絵の具戦隊 ジモレンジャー』のことを書きます(ほとんどこじつけだ・・・)。

ジモレンジャーって何か、というと。僕が中学1年生の頃にクラスで撮った映画のことです。学園祭で上映しました。「忌まわしき過去」と言う人もいます。まぁ確かに、中1の頃の自分のうまくもない演技を見たい、と思う人はそんなにいないかも知れません・・・ でも懐かしい気もします。レンジャーなのに、12人か、13人もいました。レッド、ブルーから始まり、ホワイトやパープルというのまでいました。



中1の頃、J1-1(僕のクラス)では、そのジモレンジャーという映画をつくり、それだけじゃなくて、自分たちの教室を改造して映画館にしました。そうしないと映画を見る場所がないからです。映画は、見てもらって始めて映画になる、といっても良いと思います。そうじゃなかったら、自己満足です。

クラスでやったことは映画撮影、映画館作りだけではありません。

自分たちでピザをつくって売りました。レンガを借りてきて自分たちで窯をつくり、そこでピザを焼いたのです。つまり手作り窯で焼いた、手作りピザというわけです。それに加えて、揚げスパもつくって売りました。それで、「ピザが美味しい」というのが評判になり、10万円に達するか達さないか、というくらいの売り上げになりました。全クラス中、売り上げ№1でした。よくあれだけのことをやったなぁ、と今は思います(自画自賛・・・)。

自由の森学園の学園祭は、とても楽しいものです。自分たちがやりたい、と思ったことに対して本気で取り組めるし、自分たちで何かをつくり出していくことができます。教員もしっかりサポートしてくれます。学園祭は、楽しいだけでは終わりません。今までまったく接点の無かったクラスの人とつながったりするきっかけにもなります。良いこと尽くめです。

だけど本気でやることは、それだけ大変なことでもあります。うまくいかないことだらけだし、結局大人に頼らざるを得ないことだってあります。クラスの人たちと意思疎通できずに、部分的とはいえ失敗してしまったこともたくさんありました。映画ジモレンジャーの脚本は、最初の段階からずーっと変わり続けました。二転三転どころの騒ぎではありません。撮影拒否やら、撮り忘れやら、撮り間違いやら、いろんなことがありました。あとは撮ったのに逆光だったとか、画面が暗すぎた、とか。それでも完成に漕ぎ着けました、一応。


学園祭ピザ

大変の連続だけど、そこから何かが生まれるのだと思います。らくな方へ流れていったら、しょぼくなっていくだけです(最近の学園祭はそんな感じがする・・・)。クラスのみんなで難しいことへ挑戦していく。簡単にことじゃないけど、だからこそやりがいが生まれるのだし、挑戦の意味があるのだと思います。
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オリンピック絡みということで、ジモリンピックのことを書きます。

毎年春、自由の森学園では、体育祭というのをやっています。今年は、その名称を「ジモリンピック」というふうにしていました。中身は同じなんだから、名前変えてもあんまり意味が無い、と思うんだけどなぁ。しかも普通に「体育祭」で別に構わない気がするし(というか『ジモリンピック』って、あんましネーミングセンスが優れている、とはいえないんじゃないかなぁ?)。

自由の森学園体育祭



体育祭はどうやってつくられているのか?

まず、実行委員会というのは生徒によって運営されています。それで、審判も、放送も、広報(パンフレット作り)も、音響も、救護(踊りのためにいる?)も、会場整備も生徒がやっています(まぁそうとばかりも言い切れない部分もいろいろあるんだけど)。それで、全ての競技を、自分達で決めます。まぁだいたいお決まりの競技というのは揃っているんだけど、ときどき斬新なもの(競技として成立していないものがあったりして面白い)もでてきます。

学年種目も、各学年各自が話し合って決めます。背渡りや、ムカデリレーが、学年種目でやることもあります。
例えば、僕の中学の頃は↓みたいな感じでした。

中1 クラス全員でおおなわ → クラスで全員電車ごっこ → クラス全員でピラミッド

中2 学年対抗・棒引き

中3 クラス全員全脚 → 借り物競争 → クラス全員で電車ごっこ



自由の森学園体育祭


中3のときの借り物競争の中身は自分達で話し合って決めました。3クラスあるので、それ以上の数を用意しておきました。とにかく、クラス全員で一緒にやっていく、というのをやっていました。優れた人だけ選抜してやる、というのじゃつまらないじゃないか、という訳です。

学年種目のほかには何があるのか?
例えば、お決まりの例年あるものを挙げていくと、騎馬戦・棒倒し・タイヤ奪い・全校綱引き・教員リレー・障害物リレー・応援合戦などなど。広いグラウンドを存分に使って、全校みんなで競技をします!

自由の森学園の体育祭はそんな感じです。まぁ詳しくは下のページを見て下さい。
といって、またまた自分のウェブサイトの宣伝をしています・・・
自森人 自由の森学園 体育祭2008
読んだ本のメモ。
東野圭吾『虹を操る少年』
はやみねかおる『怪盗クイーン、仮面舞踏会にて―ピラミッドキャップの謎 前編―』


まぁ感想はまた今度書こうと思います。

『虹を操る少年』は主人公に共感できなかったなぁ・・・
なんというか天才が世界を変える、というのが。
物語は、面白いは面白いんだけど。
このブログを作った日が北京オリンピックの開催式と同じ日だった、とずっとあとになって気付きました。これまた、あとに聞いたはなしなのですが、北京オリンピックの開催式は、中国時間の、八月八日八時八分に始まったそうです。「末広がり」ということを願って、だそうです。凄いこだわりようだなぁ、と感心しました。

さて、はなしは変わり。

中国の歴史は面白いなぁ、と思います。ぼくも三国志から入って、中国史にはまった1人です・・・ それから、史記、水滸伝、封神演技、安能務・田中芳樹・陳瞬臣・宮城谷昌光の小説とかを片端から読んでいきました。基本的に、活字ならなんでも読もうと思っているのですが、やっぱり中国の歴史ものを読んでいることが多い気がします。

まぁとにかく中国の歴史小説は面白いなぁ、と思います。それで、中国の歴史を知って思うのですが、中国の武将と、日本の武将を同列に並べるのは、違うような気がします。比較なんて出来ないわけがないけど、戦っている兵士の数とか桁違いだし。まぁそんなこと言ってもどうしようもないか・・・ まだ、水滸伝や封神演技の感想を書いていないなぁ。まぁいつか書こうと思います。

それにしても、漢字というものはとても面白いです。だから漢詩にも興味を持ったんだけど。そういえば「自森人」という名前も漢字だらけだなぁ・・・
星(★)の説明なんていらないかなぁ、とも思いますが一応書いておきます。
★が多いほど、僕が面白いなぁ、と感じた本です。

↑面白い

★★★★★
★★★★
★★★
★★


↓つまらない

まぁ独断と偏見なので気にしないで下さい。
ってみんな決まり文句みたいに書いているけど、そんな感じです。
★★

著者:  鯨統一郎
出版社: 光文社

  ドイル、ルブラン、クリスティ、カーらによって構成されるパラドックス学園パラレル研究会。ミステリの作家として名をはせる人たちが、みんな大学生として学園の研究会にいました。これはいったいどういうことなのだろうか? 新入生ワンダは、首をかしげますが・・・

  まじめに読むのはおすすめしないおはなしです。最後まで読んで正直ずっこけました。まともな謎解きとかを期待しても意味がない、といっても過言ではありません。それにドイル、ルブラン、クリスティ、カーといった人たちが登場した必然性もないに等しい。まぁひまつぶしに読んで、こんなミステリもアリなのか、とちょっと感心する程度のものです。

  はしっこについているパラパラマンガが謎解きへのヒントです。こんなのはミステリじゃない、というような気がしました・・・

パラドックス学園
サウスバウンドのことを書いて、思い出したので少しいろいろ書きます。自由の森学園中学の修学旅行は、沖縄へ行きます。

自由の森学園の修学旅行は、「思い出作り」や「お楽しみ」ではありません。かといって堅苦しい勉強でもありません。じゃなんなの? と聞かれそうですが・・・ 自由の森学園の修学旅行は学びの場なのです。

下のウェブサイトを見ると、詳しく分かります。
(なんかこの前から、いろんなウェブサイトの紹介ばかりしてる・・・)

沖縄修学旅行 基地問題コ ース
自森人 自由の森学園 修学旅行


自由の森学園修学旅行


学ぶことは本来楽しいことです。誰かに命令されてやることではなくて、自分から始めることです。「未来への投資」みたいな言われ方をすることもあるけど、それは違う気がします。それは結果であって、学ぶことにはそれ自体に意味があるのです。だけど、今の日本の一般の学校ではそういう考え方は通用しないみたいです。

「良い大学に入って、良い会社に入るために今を犠牲にして勉強する」みたいなことが言われます。でも、どんなに頑張っても、3人に1人はフリーターにならざるを得ません。そういう社会の仕組みだからです。だからみんな、互いを殺しあって(高めあって、ではなく)上を目指します。

だけど、本当に裕福なのは、最上級のほんの一部の人だけです。正社員になったら、残業尽くめの働き通しです。フリーターになったら、一生低賃金のまま、生き続けないといけません。みんな不幸です。「大多数の人が不幸になる社会」。そんなのは社会の方がおかしい、と僕は思います。青臭いけど、「改革」みたいなものが必要だと思います。(ヨーロッパみたいに福祉を充実させるとか。小泉首相のやったのと逆のこと)

「学び」のはなしから、『生きさせろ!』のはなしになってしまいました・・・ 『生きさせろ!』はそれこそ自由の森学園の学びの実践の1つです。ついでに『生きさせろ!』のウェブサイトも紹介しておきます。
生きさせろ! 現代日本の貧困と生存をめぐって
★★★★

著者:  奥田英朗
出版社: 角川文庫

  小学生の二郎は父・一郎を煙たがっていました。一郎は元活動家で、行きたくないなら学校なんて行かなければいい、と言い放ち、無国家主義をつらぬき、自由を求める男です。どうしても周りと衝突する一郎に、家族は振り回されつつも、毎日を過ごしていました。けれども一郎が南の島へ行こう、と言い出し、母・さくらも意気投合してしまい、とうとう沖縄へ行くことになります・・・

  第1部の舞台が東京、第2部の舞台が沖縄です。沖縄の生活が大変だけど楽しそうで、いいなぁ、と思いました。でも、そこでも一郎は、沖縄の自然を守るために、またまた戦うことになります。決して楽園ではないし、最後もハッピーエンドなわけではない。だけど何があってもくじけず、自分の信条を守り続ける父・一郎がかっこいいなぁ、と思いました。

  何に分類すればいいか分かりません。二郎の成長物語なのかな。それとも家族の物語なのかなぁ。分厚くて、いろんなものが詰まっているので1つのくくりにおさまりきらないような気がします。なので一応、現代・近未来に分類しました・・・ 苦し紛れです。主人公は小学生で、熱い父が活躍するので無理に青春ものにいれてもいいかも知れません。

  サウスバウンドの意味は「南行き」ということらしいです。




自森人読書 サウスバウンド
★★★

再話:  A・トルストイ
出版社: 福音館書店

  誰でも知ってるロシアの民話です。

  おじいさんのうえた株が、とってもおおきなかぶに育ちます。おじいさんだけではとても引っこ抜けないので、おばあさんを呼んで来ます。おじいさんとおばあさん2人でも引っこ抜けないので、孫娘を呼んで来ます。それでも引っこ抜けないので、こんどは犬を呼んでくることに・・・。という感じのおはなしです。

  僕は小さい頃、べつにロシアの民話だということも知らず、絵本を読んでもらっていました。自由の森学園にきて、社会科の授業の時間に、むかしこの物語を教科書に載せることはできなかった、ということを知りました。なぜか、というとこれは仮想敵国・ソ連(ロシア)の物語であり、「みんなが一致団結」というのは社会主義だから。これは社会主義を宣伝するものだというのです。

  どんな屁理屈だ、と僕は思いました。英語の授業の時間に、この「おおきなかぶ」を英語で読みました。やっぱり親しみやすくて、みんな知っているから使われるのだと思います。社会主義を宣伝するおはなしなんかではないなぁ、と思いました。

関連リンク
英語の授業 おおきなかぶを読む
社会の授業 (9)続き いろんな検定不合格

自森人読書 おおきなかぶ
今日、越谷でエコイベントがありました。
『WATER GREEN』といいます。若者がつくる祭りでした。
ものすごくたくさんの人が来ていて、盛況でした。

エコに関係のある団体がたくさんブースを出展していたのですが。
「自由の森学園9条の会 9理」では今回それに参加させてもらいました。
とても楽しかったです。

読書日記なので、出来るだけ読書のことだけを載せようと思ってはいるのですが。まぁ自由の森学園の紹介も少しくらいはあっていいだろうということで、書きます。


自由の森学園



自由の森学園


『六ヶ所村ラプソディ』の監督・鎌仲ひとみさんや、田中優さんも来ていました。


自由の森学園
自由の森学園の面白いところ。
その1つにサンバ、というものがあります。
サンバをやっている高校なんてそんなにありません。


ちょうど今日、僕の住む川口にサンバがやってきたので、その写真を載せます。
ものすごく盛り上がっていました。


★★★★

著者:  田中芳樹
出版社: 角川文庫

  舞台は中世ペルシャ風の世界・パルス。主人公は王子・アルスラーンです。2部構成で、ルシタニアに征服されたパルスを救うべく王子、アルスラーンが立ち上がり、それを成し遂げるまでが第1部(ここまでで6巻)。伝説の中から蘇った蛇王ザッハークとの戦いが第2部です。まだ完結していません。

  長い物語なので、あらすじを説明していくと長くなるのですが。まぁ一言で説明するならば、王子アルスラーンと彼のもとにじょじょに集う十六翼将たちが、敵を倒していくおはなしです。

  最初は、ルシタニアとの戦いから始まります。パルスはアルスラーンの父・アンドラゴラス三世の時代にルシタニアによって征服されてしまいました。ルシタニアは、イスラムを侵略した十字軍のイメージで、宗教を盾にして平然と蛮行を行い、むしろそれを功績のごとくに言う軍隊です(異教徒の赤子を何人殺したから俺は偉い、と赤子殺しを正当化したりする)

  アルスラーンは、そんなルシタニアと戦うことを決意します。さのとき、彼を支えたのが、ダリューンとナルサスでした。ダリューンは黒衣の騎士として、他国にまで名を馳せる勇将で、戦いではほとんど最強といっても過言ではないほどの強さを誇ります。ナルサスは政治・軍事両方に長けた智将です。ただし絵がものすごく下手・・

  その2人を筆頭に温厚で人柄のいい少年、アルスラーンのもとには続々と人が集まってきます。そんなアルスラーンの敵はルシタニアだけではありませんでした。父であるアンドラゴラス三世は、アルスラーンの力が強大になるのを恐れてか、冷たく扱い、その上アルスラーンの積み上げた実績を全て自分のものとしてしまいます。

  そして、ヒルメスも、アルスラーンの邪魔をします。銀色の仮面をつけた、ルシタニア人の下で働く男です。実は彼は、王族の一員で、武勇に優れた人物でした。途中でルシタニア人を裏切り、パルス再興を目指します。

  そんな感じでアルスラーンが王になるための道程は決して楽ではありません。けれども、最終的には、その懐の深さから全ての困難を越えていきます。

  第2部はアルスラーンが王になってからの物語です。暴虐を尽くしたと伝説で伝えられている蛇王ザッハークが封印を破り、復活しようとするのです。それをとめられるのはどうやら王であるアルスラーンだけらしい。またもや、アルスラーンに危機が襲い掛かります。それをどうやってふり払って進むのか?

  まだ物語は完結していません。続きが楽しみです。でも田中芳樹はなかなか続きを書かないことで有名な作家だからなぁ。いつ完結するんだろう・・・

自森人読書 アルスラーン戦記シリーズ
このブログ「自由の森学園図書館の本棚」は、まぁ一言で言ってしまうと、読書日記です。
これまで自分の読んできた本のことをたくさん書いていこうと思っています。

「自森人」というのは「自由の森学園の人」のことです。

自森人というウェブサイトをつくっているのですが、そちらの「読書日記」をそのままこちらに移しかえていこう、というずるいことを考えています。まぁできたら、ブログもウェブサイトも読んでいって下さい。

下が、そのウェブサイト
自森人 -自由の森学園の人-
★★★★★

作者:  田中芳樹
出版社: 徳間書店

  銀河系を舞台に、銀河帝国と自由惑星同盟、フェザーン自治領が、三つ巴の戦いを繰り広げる物語です。まず、ページをひらくと、人類が宇宙へ飛び出し、銀河系に拡大していった様子が淡々と語られていきます。歴史小説ふうの文章が嫌いな人はこの時点で、もう本を閉じてしまうかもしれません・・・

  そうして、延々と歴史が語られていき、宇宙暦776年/帝国暦467年に到達して主役たちが登場します。そして物語は、ふたりの主人公、ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーを中心に展開していきます。

  ラインハルト・フォン・ローエングラムは、銀河帝国の軍人です。姉が皇帝の後宮に召されてしまいます。そこで姉を奪った皇帝、ひいては門閥貴族の支配する帝国への憎しみを抱くようになりました。彼は戦争の天才であり、政治家としても優れていました。なので、帝国を倒して自分が皇帝になり、さらに宇宙を統一しよう、と目指し、全てを成功させていきます。

  彼の前に立ちふさがったのがヤン・ウェンリーです。ヤン・ウェンリーは自由惑星同盟の軍人です。彼は天才的に戦争のうまい男でした。そして、民主主義の抱える矛盾に悩みつつも、民主主義を信じて戦います。

  独裁主義と、民主主義どちらを選ぶのか?

  ラインハルトは腐敗した独裁主義と民主主義を踏み潰して、新たに清新な帝国を築き上げてしまいます。そして、悪政をおこなう民主主義よりも、善政をおこなう独裁主義の方がいいだろう、と問いかけます。そこで待てよ、と踏みとどまったのがヤン・ウェンリーでした。結局迷いつつも、ラインハルトと戦い続けることとになります。

  この文章を読むと、なんだかヤン・ウェンリーってかっこいい「民主主義の戦士」みたいに聞こえるかも知れないなぁ。でも、「ごくつぶしのヤン」「無駄飯食いのヤン」とか言われる怠け者なのです。その上ひねくれ者・・・ そういうキャラクターの落差っていうのはとても面白いです。人の魅力っていうのは、案外そこらへんにあるような気がします。

  その他にも魅力的なキャラクターがたくさん登場します。そこで興味深いのは、この物語の中ではどんな凄い人でも、歴史を大きく揺り動かすことなんかできない、ということです。

  ただ1人、ラインハルトのみが、歴史をかなり動かしていきますが、それでも大切な親友を失い、ヤンには勝てず、思い通りにはいきません。1人の力で世界が救われたり、変化したりする物語、というのはよくあります。でも世界はそんなに簡単じゃないな、と思います。超能力を持った人間も、エイリアンも、アンドロイドもでてきません。でもだからこそ逆に見えてくるものがあると思います。

  とりあえず、手にとってみることをおすすめします。みみっちい機械の説明なんかほとんどありません。壮大な宇宙を舞台に、艦隊どうしがぶつかり合い、伝説が創られていきます。

  ひねくれ者・ヤン・ウェンリー。
いつもはぼやっとしていますが、ひねれるときはひねくれる・・・

   「貴官、なぜ、起立せぬ?!」
ヤン「この国は自由の国です。起立したくないときに起立しないでよい自由があるはずだ。
    私はその自由を行使しているだけです」
   「ではなぜ、起立したくないのだ」
ヤン「答えない自由を行使します」





自森人読書 銀河英雄伝説シリーズ
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