自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
★★★★★
著者: ウィリアム・ギブスン
出版社: 早川書房
主人公はカウボーイ(ハッカー)のケイス。彼は千葉市(チバシティ)にてリンダ・リーという女性と出会い、付き合うようになりますが、リンダはケイスとともにドラッグや酒に溺れていきます。一方、ケイスは依頼主を裏切ってしまい、脳神経を焼かれ、ジャックイン(電脳世界への接続)できなくなってしまいます。彼は能力を取り戻そうとするのですが、全身に武装インプラントを施したモリィという女性と出会い・・・
SF小説。
1984年に発表されたウィリアム・ギブスンのデビュー作。サイバーパンクの最高傑作とたたえられているそうです。それも納得。
鮮烈なのです。
ドラッグや酒、セックスに満ちている退廃的で美しくない未来が描かれています。そして、「マトリックス」と呼ばれる電脳空間(サイバースペース)が登場。ヴァーチャル・リアリティ(仮想現実)が登場したことによって現実と架空の狭間が曖昧になっていく様子が生々しく描かれています。とにかく、イカれていてどこまでも異様なところが面白い。
そして文体も素晴らしいです。様々なものが積み込まれ、ミックスされていて読みづらいのですが、一文一文が妙に装飾的でギラギラしていて疾走していて、それでいて詩のようです。各章のタイトルから「第一部 千葉市憂愁(チバ・シティ・ブルーズ)/第二部 買物遠征(ショッピング・エクスペディション)/第三部 真夜中(ミッドナイト)のジュール・ヴェルヌ通り/第4部 迷光仕掛け(ストレイライト・ラン)/結尾(コーダ) 出発(デパーチャ)と到着(アライヴァル)」という感じ。黒丸尚の訳がいいのか。
『ニューロマンサー』は、『マトリックス』や『攻殻機動隊』など、様々な小説・映画に多大な影響を与えています。それだけでなく、現実にも影響を与えたと思われます。一部の研究者やSF好き、オタクたちのものだったサイバースペースやネットやヴァーチャル・リアリティという概念やものが、その後クールなものとしてもてはやされるようになっていくのです。それだけ『ニューロマンサー』の描き出した、どこか壊れているのに先進的ともいえる未来像が衝撃的だったということではないか。
『ニューロマンサー』とは、ニューロン(神経)とニュー・ロマンサー(新浪漫主義者)とをかけた言葉だそうです。
84年のヒューゴー賞、フィリップ・K・ディック賞、85年のネビュラ賞、雑誌『SFクロニクル』誌読者賞、ディトマー賞受賞作。
自森人読書 ニューロマンサー
著者: ウィリアム・ギブスン
出版社: 早川書房
主人公はカウボーイ(ハッカー)のケイス。彼は千葉市(チバシティ)にてリンダ・リーという女性と出会い、付き合うようになりますが、リンダはケイスとともにドラッグや酒に溺れていきます。一方、ケイスは依頼主を裏切ってしまい、脳神経を焼かれ、ジャックイン(電脳世界への接続)できなくなってしまいます。彼は能力を取り戻そうとするのですが、全身に武装インプラントを施したモリィという女性と出会い・・・
SF小説。
1984年に発表されたウィリアム・ギブスンのデビュー作。サイバーパンクの最高傑作とたたえられているそうです。それも納得。
鮮烈なのです。
ドラッグや酒、セックスに満ちている退廃的で美しくない未来が描かれています。そして、「マトリックス」と呼ばれる電脳空間(サイバースペース)が登場。ヴァーチャル・リアリティ(仮想現実)が登場したことによって現実と架空の狭間が曖昧になっていく様子が生々しく描かれています。とにかく、イカれていてどこまでも異様なところが面白い。
そして文体も素晴らしいです。様々なものが積み込まれ、ミックスされていて読みづらいのですが、一文一文が妙に装飾的でギラギラしていて疾走していて、それでいて詩のようです。各章のタイトルから「第一部 千葉市憂愁(チバ・シティ・ブルーズ)/第二部 買物遠征(ショッピング・エクスペディション)/第三部 真夜中(ミッドナイト)のジュール・ヴェルヌ通り/第4部 迷光仕掛け(ストレイライト・ラン)/結尾(コーダ) 出発(デパーチャ)と到着(アライヴァル)」という感じ。黒丸尚の訳がいいのか。
『ニューロマンサー』は、『マトリックス』や『攻殻機動隊』など、様々な小説・映画に多大な影響を与えています。それだけでなく、現実にも影響を与えたと思われます。一部の研究者やSF好き、オタクたちのものだったサイバースペースやネットやヴァーチャル・リアリティという概念やものが、その後クールなものとしてもてはやされるようになっていくのです。それだけ『ニューロマンサー』の描き出した、どこか壊れているのに先進的ともいえる未来像が衝撃的だったということではないか。
『ニューロマンサー』とは、ニューロン(神経)とニュー・ロマンサー(新浪漫主義者)とをかけた言葉だそうです。
84年のヒューゴー賞、フィリップ・K・ディック賞、85年のネビュラ賞、雑誌『SFクロニクル』誌読者賞、ディトマー賞受賞作。
自森人読書 ニューロマンサー
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