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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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著者:  ホルヘ・ルイス・ボルヘス
出版社: 岩波書店

  『伝奇集』は、『八岐の園』と『工匠集』が合わさった短編集。

  『八岐の園』には『トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス』『アル・ムターシムを求めて』『『ドン・キホーテ』の著者、ピエール・メナール』『円鐶の廃墟』『バビロンのくじ』『ハーバート・クエインの作品の検討』『バベルの図書館』『八岐の園』が収録。『工匠集』には『記憶の人フネス』『刀の形』『裏切り者と英雄のテーマ』『死とコンパス』『隠れた奇跡』『ユダについての三つの解釈』『結末』『フェニックス宗』『南部』が収録。

  ホルヘ・ルイス・ボルヘスはアルゼンチンの小説家。ですが、ラテンアメリカの小説家たちに多大な影響を与えたため、世界的に著名だそうです。

  説明しがたい短編がずらりと並んでいます。

  それぞれの短編の中に広大な迷宮/世界が存在しています。難解だけど、物語自体は短いのでけこっうあっさりと読みきることが出来ます。

  ボルヘスは、観念的なことを乾いた文章で淡々と綴っていくので、普通の小説とは少し読み応えが違います。描写から想像していくことができない、というか、掴みどころがない、というか、本当に文章を読んでいると感じるのです。

  説明しづらいのだけど。物語を要約した結果、浮かび上がってくる構造・全体像について論じられているのだけど、それが一般的な感覚では把握できず、その構造自体も言語に寄りかかったものだから浮遊的で実体がない、というような感じ。実態のないものに関する構造を綴っている、というか。この言葉自体の不可解さを明らかにする、奇妙な味は本当に楽しいし、素晴らしいです。

  たとえば、『バベルの図書館』は、どこまでも構造的に広がっていて果てのない図書館についての物語。そこにはあらゆる本が収められており、しかし同じ本は2つとないようなのですが・・・

  小説っぽくないのに、小説でしか出来ないことをなしとげた小説、なのかなぁ。『伝奇集』を論ずることは一生かかっても不可能なのではないか、と感じます。本当に面白い短編集。


自森人読書 伝奇集
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