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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★

著者:  山口二郎
出版社: 岩波書店

  岩波ジュニア新書。

  国会の仕組みなど、随分と知っていることも多かったけど、それを再確認する上でも役立つかなぁ、と感じました。読んでいて民主主義に則った政治を行うことは本当に難しいのだなぁ、と感じました。自民党は、大規模な公共事業を行って地方と企業に金を流し、それでもって支持を取り付けていたけれど、多くの人が満足するならば民主的ではない政治が支持されるということもありうるわけで、その部分については考えさせられます。

  多数決が民主主義というわけではないし、大勢の人が間違った方向へ進んだとき、それをとめることは容易ではない、とも思います。小泉元首相が叫んでいた「構造改革/郵政民営化」という言葉に引き寄せられて多くの人が自民党に票をいれ、結果として格差と貧困は拡大しているのを見るとなおさらそう感じます。

  全くはなしはそれるのだけど。日本にはこれまで一度も民主主義が根付いたことはない、と主張する人もいて、全面的には賛成はできないけれど(これまで日本を民主的な国にするべく多くの人が努力してきたわけで、それらに全く意味がなかったとは思えないし)、なんとなく言いたいことはわかります。民衆が権力者を倒して革命を起こしたこともないわけだし(明治維新が革命だという人もいるけどそうは思えないです。武士である薩長が天皇を掲げて幕府を倒しただけだし、それに「大政奉還」とか「王政復古」とかそういう言葉で年表が埋め尽くされているわけです。武士以外の者が集まって結成した奇兵隊は、後々天皇の軍隊に組み込まれ、それを率いていた高杉晋作は病死してしまうし)。

  自己責任という言葉がいつでも持ち出される世の中になってしまったけど、権利を訴えることはやはり大切だと思います。デモも政治参加の一種だという主張には共感します。

  「政治的中立」の部分を読んでいて、政治的中立というものはありえないという主張に共感しました。だって、誰もがこれまでの人生、今の自分の位置、目指す先を持っているはずです。それらをいったん忘れて中立の位置に立つ、というのはどういうことなのか、さっぱり分からない。それに問題意識を持ちつつ、神の視点に立ってそれらの問題に関して口出ししないというのは、無理だし。


自森人読書 政治のしくみがわかる本
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