自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
『どこに思想の根拠をおくか』は、対談集。「思想の基準をめぐって」という吉本隆明の文章があった後。それから、「どこに思想の根拠をおくか」ということで、鶴見俊輔と吉本隆明の対談が載っています。
それから、「日本的戦後のジレンマ―文学者の死と政治―」磯田光一/吉本隆明、「文学と思想の原点」江藤淳/吉本隆明、「家・隣人・故郷」小川国夫/吉本隆明、「思想と状況」竹内好/吉本隆明、「現代における思想と実践」松原新一/吉本隆明、「現実と詩の創造」粟津則雄/吉本隆明、「言語表現としての芸術―詩・評論・小説―」清岡卓行/吉本隆明、「島尾文学の鍵」島尾敏雄/吉本隆明、「傍系について」島尾敏雄/吉本隆明、「都市は変えられるか」磯崎新/吉本隆明、「勝海舟をめぐって」江藤淳/吉本隆明、「私はなぜ批評家になったか」柄谷行人/吉本隆明などが集められています。
勝海舟をめぐって、江藤淳と吉本隆明が、様々なことを言い合っています。それが非常に面白いです。
剣客としても、政治家としても、文学者としても超一流とはいえないのに、なぜか時代の移り目を泳ぎ切り、それを左右した勝海舟は、不思議な人です。江藤淳が「勝海舟はつまり政治的人間だったのではないか」と推測します。政治的人間といういいまわしは、よく分かるようで分からない気もします。文学者ではなく、立ち回りが巧みな人だったということか。
最後に柄谷行人との対談が載せられているのが印象的。
読んだ本
吉本隆明対談集『どこに思想の根拠をおくか』
読んでいる最中
柴田よしき『桜さがし』
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