自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
『目白雑録(ひびのあれこれ)』は金井美恵子のエッセイ。
どこまでも途切れなく続く文章は、読みづらいけど、味があります。
そして、とにかく金井美恵子の毒舌が素晴らしいです。構成力に欠け、その上変な理屈を振り回す島田雅彦をこきおろし、高尚そうな言葉を発する割には文学がまったく読めていない文芸評論家・福田和也を嗤い、レイシスト石原慎太郎を叩き、バカなアメリカ大統領ブッシュを非難し、稚拙な小説を書く柳美里などほとんど歯牙にもかけず、リベラルな立場に立つことで知られる文芸評論家・加藤典洋のオヤジ臭さとセンスの悪さを指摘し、かの『桃尻娘』を書いた橋本治がまるで村上龍のようなオヤジに変貌したことに首を傾げ、阿呆みたいな素振りを見せる高橋源一郎を観察し、対談相手の本を読んでもいない(読めない?)すが秀実をあげつらうのです。
あとは愛する映画のことが延々と書かれています。
ポンと批判が提出されるので、それほどくどくはないのですが、いちいち鋭いです。切れ味抜群。ここまで書いて良いのか、と心配になるほど。しかし、そういうふうにして世間から離れ、一人で闘う皮肉屋の文学者というのはかっこいい、と感じるし、好きです。
今日読んだ
金井美恵子『目白雑録(ひびのあれこれ)』
今読んでいる本
クリストファー・プリースト『限りなき夏』
どこまでも途切れなく続く文章は、読みづらいけど、味があります。
そして、とにかく金井美恵子の毒舌が素晴らしいです。構成力に欠け、その上変な理屈を振り回す島田雅彦をこきおろし、高尚そうな言葉を発する割には文学がまったく読めていない文芸評論家・福田和也を嗤い、レイシスト石原慎太郎を叩き、バカなアメリカ大統領ブッシュを非難し、稚拙な小説を書く柳美里などほとんど歯牙にもかけず、リベラルな立場に立つことで知られる文芸評論家・加藤典洋のオヤジ臭さとセンスの悪さを指摘し、かの『桃尻娘』を書いた橋本治がまるで村上龍のようなオヤジに変貌したことに首を傾げ、阿呆みたいな素振りを見せる高橋源一郎を観察し、対談相手の本を読んでもいない(読めない?)すが秀実をあげつらうのです。
あとは愛する映画のことが延々と書かれています。
ポンと批判が提出されるので、それほどくどくはないのですが、いちいち鋭いです。切れ味抜群。ここまで書いて良いのか、と心配になるほど。しかし、そういうふうにして世間から離れ、一人で闘う皮肉屋の文学者というのはかっこいい、と感じるし、好きです。
今日読んだ
金井美恵子『目白雑録(ひびのあれこれ)』
今読んでいる本
クリストファー・プリースト『限りなき夏』
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