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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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主人公は天才情報工学研究者の島津圭助。彼は非常に頑固な男でした。若くして成功するのですが、古代遺跡の石室に刻まれた“古代文字”を目にした後に崩れる石室の中で気絶。目覚めると、嫉妬に狂う周囲の人間によって自分が石室崩壊の過失の責任を取らされ、出世街道からひきずりおろされたことを知ります。彼は怒るのですが、その後“古代文字”を解読しているとき、その言葉が人間には理解できない論理構造を持っていることがわかり・・・


ソフトなSF小説。山田正紀のデビュー作。

小道具は古臭いし、人物描写は類型的。そして、ハードボイルドチックで少しナルシスティックな主人公には違和感を覚えます。しかし、それでも日本SFの古典といわれるだけのことはあると感じました。なぜ人間が神を理解できないのか、という問いに対して、論理レベルが違うから、という回答をもってくるところがみごと。

それによって、神を「認識できないけど、厳然とあるもの」にしてしまうのです。そして、神との戦いが実現。あまりにも魅力的なテーマなので感動します。じれったい神の描写も、随分とまどろっこしくてなかなかに面白いです。

なんだか石ノ森章太郎を連想しました。それくらいサクッとしていて軽いです。

しかし、ラストの辺りには失望させられました。なんというか、安っぽいサスペンスっぽくなってしまうのです。

第6回星雲賞受賞作。


今日読んだ本
山田正紀『神狩り』

読んでいる最中
ブライアン・W・オールディス『地球の長い午後』
オー・ヘンリー『オー・ヘンリー傑作選』
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