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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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『世界史の構造』
著者は、マルクスとカントを結び付けて、ヘーゲルを批判します。さらに「資本=ネーション=ステート」が世界を包み込んでいる現状を拒否しつつ、国家や労働闘争では現状を崩すことができないと主張します。そして、生活協同組合と、自覚的な消費活動が現状を突破する、と結論付けます。

批評家、柄谷行人が記した書。

柄谷行人はこれまで、文学批評を行ってきましたが、同時に現実に対する評論なども書き続けてきました。その集大成と呼び得るもの、なのだと思います。

柄谷行人は、「夢想家」と呼ぶことができるかもしれません。しかし、詐欺師でもあるのではないか、と感じないでもないです。到達することができない理想の世界を描き出していくその力量はすぐれていますが、道程は指し示していません。

しかし、哲学者は基本的に誰でも詐欺師だということもできます。しかし、柄谷行人はとくに徹底した、慎みのない詐欺師のような気がしないでもないです。

そもそも、主張自体に矛盾があります。あらゆる資本主義批判に共通することではありますが、資本主義を批判する本を出版して、結局、儲けているわけです。そして、世界同時革命というようなことを書きながら、具体的な行動を起こすわけではありません。批評家・哲学者としての個人的な評価を高めるのみです。

簡潔にまとめてしまうのであれば、「到達することができない世界」を述べることによって、柄谷行人は現世的な栄誉と富を得ているわけです。結構、滑稽な状態ではあります。まぁ、現状をただ単に追認する人間より、はるかに立派ではないか、と思わないでもないのですが・・・


読んだ本
柄谷行人『世界史の構造』
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