自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
ジョナサン・ゲイツは、クラシック座の共同経営者であるクレアという女性に出会います。クレアはセックスの最中に映画のことを徹底的に講義する人物でした。ジョナサンは徐々に映画に詳しくなっていきます。その後、グロテスクな映像を作成していたマックス・キャッスルという映画監督を知ります。マックス・キャッスルの映画は「B級」扱いされていましたが、その映像は不気味な魅力を持っていました。ジョナサンはマックス・キャッスルのことを探っていくのですが・・・
映画に関する小説。
大著。しかし、結構読みやすいです。基本的には、ジョナサンという青年の青春物語になっています。徐々に、マックス・キャッスルの映像の背後にある壮大な陰謀が明らかにされていきます。
マックス・キャッスルが制作したという、多くの架空の映画が紹介されていきます。その描写は秀逸です。映画を見ている気分になります。
登場人物の中には奇妙な人が多いです。しかし、ありえない、と感じることはありません。それなりに説得力があるのです。
映画や宗教に関する薀蓄が溢れています。現実と虚構が入り乱れているそうです。しかし、映画のことはよく知らないので、ほとんどわかりませんでした。しかし、マックス・キャッスルという人物を作り上げてしまった著者には感心します。
映画が好きな人はさらに楽しむことができるかも知れません。
読んだ本
セオドア・ローザック『フリッカー、あるいは映画の魔』
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