自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
「日本に帰るまえに、どうにかしてアメリカの女と寝ておかなければならない。当時の私はそんなことを考えていた。そんなときに出会ってしまったのがトーリだった。」という一文から物語は、唐突に始まります。主人公は仕事のためアメリカに赴きます。そして、トーリという女性に出会い、結婚します。結婚を決意したのは、トーリの「黒い腋毛」をみた時。
テーマは時間のようです。
生きていくことに、深い意味はない、という思想が根幹にあるような気がします。意味は勝手に作り出されていきます。時には、自分から作り出していくこともあります。そうして、生きることに意味があることになります。
主人公は結構変な人。だから、現実がヘンなものに見えます。
そういえば、カフカが微妙に登場しますが、磯崎憲一郎の小説は、カフカの小説の影響を受けているような気がします。なんというか、現実を切り取る視点が変です。即物的といえばいいのか。
読んだ本
磯崎憲一郎『眼と太陽』
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