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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  福井晴敏
出版社: 講談社

  1945年8月、日本の無条件降伏によって太平洋戦争は終わろうとしていました。

  そんな中、日本軍の浅倉大佐は「あるべき終戦の形」を求めて暗躍します。彼は、将兵を無駄死にさせ、その上戦争の責任をとろうともしない軍上層部に呆れかえり、失望と絶望を感じていました。そして、日本という無責任な国家を変えるためには「国家の切腹」しかない、と考えます。それは帝都・東京に原爆を落とそう、ということでした。

  朝倉大佐は、米軍と取り引きをおこないます。日本の潜水艦・伊507と、ローレライをさしだす代わりに東京に原爆を落としてくれ、と頼んだのです。ローレライというのはナチス・ドイツが開発した、特殊音響兵装のことです。海の中を立体的に再現してしまうことが可能、というトンデモないものです。ローレライシステムには秘密がありました。その機械の核の部分は人なのです。決してまねすることが出来ません。もちろんアメリカは欲しがりました。

  朝倉大佐は、伊507を騙して、彼らを米軍の中へ放り込みます。艦長・絹見真一は、最初は朝倉大佐に協力していましたがやはり日本を破滅させるためにはいかない、と決意。核弾頭を配備した戦闘機が飛び立つ予定のテニアン島へ向かい、東京への原爆投下阻止しようとします。それはアメリカ軍の懐にはいっていくということです。伊507は孤立無援の中、絶望的な戦いを繰り広げることとなります・・・

  分厚いです。それで行間がなくて息苦しいです。舞台は回想シーン以外ほとんどが海中。しかも静かな、ほとんど無音の戦闘です。息詰まる戦いです。長くてだらだらしている割には緊迫感があります。

  最後に、戦争のあとの「現代」が書かれています。あの戦争を受けて、僕たちはどうするのか・・・? そう問いかけているんだなぁ、と思います。

自森人読書 終戦のローレライ
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