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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★

著者:  五十嵐貴久
出版社: 双葉社

  主人公は高校生・梶屋信介(カジシン)。彼は、居眠り運転のトラックにはねられて志望校へいけず、工業高校に入学。ぐちばかりこぼしていました。そうしたら、大企業の御曹司にして、その高校の理事長の息子である男に疎まれ、彼の差し金で事実上学校中から無視されるはめになります。カジシンは荒れてタバコを吸い、酒を飲み、パチンコにはまります。そしてあるとき、運悪く酒飲んで倒れ・・・

  翌日教員から呼び出され、退学になるか、それとも言いなりになるか二者択一を迫られ、退学を避けるために、なんとキューブサット(小型人工衛星、10cm×10cm×10cm)をつくるはめに。彼は、世間では「オチコボレ」として扱われるような仲間たちととにもその課題に取り組むことにします。すると最初は嫌々だったのに、いつの間にかそこに居場所を見つけるようになっていきます・・・

  2009年1月1日。1年の1番始めに読んだ本。

  爽快で読みやすさは抜群、ものの30分で読み終わります。傑作というほど凄いかどうかは分からないけど、快作ではあります。読んでいて、暗い気持ちになるところはほとんどありません。テレビドラマ化されたらしいです。0地点どころか、マイナス地点からスタートし、どこまでも疾走していく「オチコボレ」の主人公たち。かっこ良いです。

  個性的としか言いようがない登場人物たちが際立っているなぁと感じます。極端に語彙が少なくて、「おお」と「ああ」しか喋らない190㎝の不良(翔ちゃん)、とか。数学の才能だけは天才的、心に闇を抱えていて一言も喋らないネット中毒の男の子(レインマン)、とか。

  そういえば、作者も1番最後に書いているように、「2005年のロケットボーイズ」というタイトルだけど、ロケットはあんまり関係ありません。ロケットは申し訳程度しか登場しません。「2005年のキューブサットボーイズアンドガール」の物語です。


自森人読書 2005年のロケットボーイズ
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