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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★★

著者:  角田光代
出版社: 中央公論新社

  1985年2月、野々宮希和子は不倫相手の家に侵入し、突発的に生後6ヶ月の赤子を誘拐してしまいます。希和子は赤子に「薫」という名をつけました。そして、自分の子として育てるため逃げ回ります。なぜか、彼女たちの行く先々にはいろんな理由で匿ってくれる人がいたため、逃亡はいつまでも続きます。そして何年間か経ち・・・

  長篇サスペンス。二部構成。角田光代らしい家族を巡る物語。

  立ち退きに応じないお婆さんの家での生活。怪しいエンゼルホームにおける日常。美しい自然に囲まれた小豆島での日々。そのどれもが印象的です。

  希和子はとんでもない人だよなぁ、と最初思いました(まぁ当然ですが・・・)。だけど、読み進めていくうちにだんだんと印象が変わってきます。もちろん人の子どもを誘拐してしまうとんでもない人だ、という前提の部分は変わりません。けど、子どもを思う気持ちをしっかりと持った「お母さん」になっていくことに、心を動かされます。

  希和子と薫は、本物の家族よりも家族らしい関係を築いていきます。2人の小豆島での日々はとても楽しそうです。良いなぁ、と思います。しかし、その日々も最終的には壊されてしまうわけですが。どうして放っておいてあげないのか、と僕は思わず言いたくなりました(まぁ、誘拐された子を放っておくわけにはいかないのだけど)。

  2008年第5回本屋大賞ノミネート作(6位)。


自森人読書 八日目の蝉
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