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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★

著者:  大原まり子
出版社: アスペクト

  神話のようなSF。連作短編集。『天使が舞い降りても』『けだもの伯爵の物語』『楽園の想いで』『異世界Dの家族の肖像』『宇宙で最高の美をめぐって』『戦争の起源』収録。短編どうしに直接の繋がりはないんだけど、背景には同じ宇宙世界が存在しています。

  「目くるめく」という言葉はこのような作品にこそ使うべきではないか、と感じました。壮大な宇宙規模の物語が、展開されていきます。しかも、映像では表現できないような状況・物事が、文字で表現されていきます。小説を読む楽しみがここにあると感じました。

  『天使が舞い降りても』

  作用と半作用の物語。老人AUMは、鮮烈な印象を残します。世界のエコーである彼にとっては、呼び出されれば何もかもが容易なのか・・・

  『けだもの伯爵の物語』
  心を解き放つ棺桶を手に入れた伯爵家の冒険。けだもの伯爵が怖いけど、面白いです。

  『楽園の想いで』
  紆余曲折あって盗賊になってしまう女王の物語。彼女は聖女から貶められて「ただの人」になるわけですが、誰もが結局はただの人なのたろう、と感じました。

  『異世界Dの家族の肖像』
  人間が生み出した、一生物のみでぐるぐると巡っていく不可思議な生態系を描いた作品。

  『宇宙で最高の美をめぐって』
  最高の美をめぐってたくさんの人が大騒ぎして駆け回る物語。美は善にも悪にもなりうる、というラストの言葉には考えさせられました。

  『戦争の起源』
  楽園に資本主義が持ち込まれてしまうという物語。

  とにかく、『戦争を演じた神々たち』の面白さは読まないことには分からないです。あらすじを説明しても伝わらない。物語はぎゅっと凝縮されているので、さくさく読むことが出来ます。おすすめ。

  第15回日本SF大賞受賞作。


自森人読書 戦争を演じた神々たち
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