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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★★

著者:  ウラジーミル・ナボコフ
出版社: 新潮社

  ヨーロッパの知識人ハンバート・ハンバートは、幼い頃慕っていた初恋の女性のことが忘れられず、いつでも「ニンフェット(不可解な魅力を放つ少女)」を捜し求めるようになり、そして亡命先のアメリカで12歳の少女のドロレス・ヘイズを見出します。ハンバートは、彼女のことをロリータと呼び、追い求め、彼女の母親と結婚し、ロリータに迫るのですがロリータは実は奔放な少女で・・・

  20世紀の小説を代表する1作。若島正による新訳。

  知識人ハンバート・ハンバートが書いた手記ということになっています。だから時折混乱するし、明快とはいえない表現が多いし、どこまでが現実でどこからが妄想(作り話)なのか分かりません。彼は信用できない語り手なのです。そのなんというか混線した語り口が非常に面白いです。

  文学の引用が大好きな中年の学者ハンバートは夜の間、ロリータに何度も何度も迫るのに最後には怯えてしまい、なんと朝になってから逆に彼女に誘われるのです。そして、セックスした後には意外なことが発覚し・・・ とにかく、ハンバートの情けなさ具体が滑稽。笑いながら読むのが正しい小説なのかも知れない、と感じられるほど。

  ハンバート・ハンバートは、素晴らしい少女としてロリータを徹底的にほめたたえますが、彼女は一般的に良いとされるような大人しくて可憐な少女ではないようです。むしろ汚い言葉を用い、男を惹きつけ、簡単にセックスする生意気な女の子です。ニンフェットというのは何なのか。都合良くセックスさせてくれる平均的な容貌を備えた普通の女の子のことではないのか、と感じてしまうのですが・・・ しかし、それもまたハンバート・ハンバートのフィルターにかけられているわけです。真実なのかどうなのか分かりません。

  『ロリータ』は、アメリカというものを表現した文学だと指摘する評論家もいるそうです。老いたハンバートはヨーロッパ、若く野卑なロリータはアメリカというふうに当てはめて考えてみると面白いです。

  変態的な小説に見えるが実はそうではなくて芸術的な文学なのだというふうに、やたらと若島正をはじめとする博識な人たちが様々なところで書きまくっているけど、「教養」ある人たちを刺激する言葉遊びと仕掛けに満ちた小説でありながら、ある意味ではポルノ小説としても読めて、それでいて推理小説のようでもあるところが素晴らしいのかなぁ、と感じました。

  もう少したくさん本を読まないと、全てを読み解くことはできないのかも知れない。再読したいです。そうしたらもっと楽しめるだろうか。


自森人読書 ロリータ
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