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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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高田侑の短編集『てのひらたけ』を読みました。
どれもファンタジーチックというか、幻想小説っぽい雰囲気です。
『てのひらたけ』

『てのひらたけ』
てのひらたけという幻覚を見せるキノコがとれる、と聞いた男は山に分け入り、それを食した途端に昏倒。母と娘の一家に助けられ、そこの家のお世話になることに。いつの間にか娘に惹かれていき、婚約しようとまで言い出すのですが・・・

『あの坂道をのぼれば』
落ちぶれた男の現状と、そこに到るまでの経緯(女に溺れて家族を捨てた)が交互に描かれていきます。主人公は本当にどうしようもない男だなぁ、と感じました。まぁ仕方ないのかもしれないけど。

『タンポポの花のように』
廃墟の遊園地で黄色い帽子を持ち、微笑んだまま死んでいる56歳の女性が発見されます。どうして黄色い帽子を持っていたのか。その謎を解き明かす物語。その女性の人生と、女性の遺体を回収し、死後の処理をしにきた家族の場面が交互に組み合わせられています。

『走馬灯』
主人公の男は、兄から「30年前に死んだはずの父をこの頃見かける」と言われ、からかわれているのかと思って怒ります。けど、昔、父は幼い子ども時代の自分に対して、未来を予知するようなことを口走っていたなぁ、ということを思い出し・・・

なかなか良いです。しかしどれもこれもほのかなハッピーエンドにするところは頷けない。綺麗過ぎるというか。


今日読んだ作品
高田侑『てのひらたけ』
高田侑『あの坂道をのぼれば』
高田侑『タンポポの花のように』
高田侑『走馬灯』


今読んでいる本
ウィリアム・アイリッシュ『黒いカーテン』
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