自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
R.U.Rの社長・ドミンは、ロボットを開発し、全世界に売り込みます。ロボットは人間と同じような肉体を持っているのですが感情は持っていなかったため給料を与えずとも徹底的に使い込むことができました。人間は全てをロボットに任せてしまい、働かなくなります。権同盟会長の娘ヘレナは、それを阻止しようとロボット製造工場がある孤島に乗り込むのですが逆に結婚を申し込まれ・・・
1921年に発表された戯曲。
この作品がロボットという言葉を生み、広めたそうです。人間にいいように酷使されていたロボットが叛乱を起こす、というストーリーは非常に印象的でした。
科学が進歩した結果、便利な物がたくさん生まれたわけですが、それを運用するだけの能力/倫理観を人間が持っているか、と問うているのかなぁ、と感じました。大戦すらまだ経ていない1921年にこの作品は発表されたわけですが、未来を見通した著者の目線は本当に素晴らしいと感じました。
失敗作とされていたロボットこそが最も人間的だったというラストは痛快です。著者は人間のことを憂慮しつつも皮肉っているわけか。
岩波書店。
読んだ本
カレル・チャペック『ロボット<R.U.R.>』
読んでいる最中
ロバート・J・ソウヤー『さよならダイノサウルス』
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