自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
津原泰水の連作短編集。『反曲隧道』『蘆屋家の崩壊』『猫背の女』『カルキノス』『ケルベロス』『埋葬虫』『水牛群』収録。
30になってもぶらぶらしている俺と、伯爵と呼ばれている怪奇小説作家の物語。毎度、彼らが不思議な事態と遭遇します。
タイトルは、『アッシャー家の崩壊』のパロディだけど、中身は違います。ミステリのような、ホラーのような、ファンタジーのような、SFのような作品。日常の中に忍び込んでくる怪奇を描き出した小説。まず最初にある『反曲隧道』が良いです。いかにもこれから幻想の世界にお連れしますよ、という雰囲気で。
『埋葬虫』が一番怖いです。
猿渡は学生時代の旧友と再会し、年代もののカメラを借りるのですが、その時森の写真を撮ってきて欲しいと頼まれます。そのカメラは、旧友のものではなく、彼の会社の後輩のものでした。彼とその後輩は、ともにマダガスカルへ行ったのですが、後輩は虫を食ったために体を虫に乗っ取られ、もう長くなくて、森の写真を見たいというのが末期の頼みだったのです・・・
主人公がハードボイルドチックな格好付けた正しい男なのがいまいちでした。語り手すら信用できないような恩田陸の小説のあとに読むとちょっと見劣りする、というか。けど、『蘆屋家の崩壊』も充分面白いです。ぞくっとします。
今日読んだ本
津原泰水『蘆屋家の崩壊』
今読んでいる本
神林長平『戦闘妖精・雪風<改>』
30になってもぶらぶらしている俺と、伯爵と呼ばれている怪奇小説作家の物語。毎度、彼らが不思議な事態と遭遇します。
タイトルは、『アッシャー家の崩壊』のパロディだけど、中身は違います。ミステリのような、ホラーのような、ファンタジーのような、SFのような作品。日常の中に忍び込んでくる怪奇を描き出した小説。まず最初にある『反曲隧道』が良いです。いかにもこれから幻想の世界にお連れしますよ、という雰囲気で。
『埋葬虫』が一番怖いです。
猿渡は学生時代の旧友と再会し、年代もののカメラを借りるのですが、その時森の写真を撮ってきて欲しいと頼まれます。そのカメラは、旧友のものではなく、彼の会社の後輩のものでした。彼とその後輩は、ともにマダガスカルへ行ったのですが、後輩は虫を食ったために体を虫に乗っ取られ、もう長くなくて、森の写真を見たいというのが末期の頼みだったのです・・・
主人公がハードボイルドチックな格好付けた正しい男なのがいまいちでした。語り手すら信用できないような恩田陸の小説のあとに読むとちょっと見劣りする、というか。けど、『蘆屋家の崩壊』も充分面白いです。ぞくっとします。
今日読んだ本
津原泰水『蘆屋家の崩壊』
今読んでいる本
神林長平『戦闘妖精・雪風<改>』
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