自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
『李白 巨大なる野放図』『杜甫 偉大なる憂鬱』は大学入試の論文を書くとき、参考にした本。再読してみました。ラジオで放送されたものをまとめて本にしたもの。二人の人間が語り合いながら詩人の姿を明らかにしていくので、非常に読みやすいです。そして、要点はしっかりとまとめられています。
李白、杜甫は、漢詩という表現方法が最も輝いていた唐の時代に生きました。そして、多くの漢詩を作り、漢詩界の中では、最も偉大な人たちとして称えられています。しかし、二人は対照的です。
李白は豪放。いつでも飄々としていました(実はそういうわけでもなかったらしい、ということが『李白 巨大なる野放図』を読むとわかりますが)。各地を放浪し続けました。一時は、皇帝からもその詩の才能を愛されたそうです。一方、杜甫は誠実。一生、妻子を大切にしました。しかし、官途には恵まれず、反乱に巻き込まれることもありました。苦労人なのです。しかし、漢詩の世界では漢詩の神ともいわれています。
憂鬱が漢詩を面白いものにしていくのかもしれません。
参考文献を追っていくと、さらに面白いかも、と感じました。
読んだ本
宇野直人、江原正士『李白 巨大なる野放図』(再読)
宇野直人、江原正士『杜甫 偉大なる憂鬱』(再読)
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