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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  米澤穂信
出版社: 東京創元社

  主人公は、紺屋長一郎という男。彼は東京の銀行に勤めていたのですが体の調子がおかしくなり、職を捨てて故郷に帰ります。そして、地元で「犬探し」をやろうと思い立ち、事務所をひらくのですが、「失踪した人を探してくれ」、「神社の古文書の内容を解読し、歴史を調べてくれ」といった犬探しとは全く関係ない依頼が舞い込みます。そこへ高校時代の同級生・半田平吉が転がり込んできたので、彼とともにその2つの依頼を調べていくことにしました。すると何故か、その2つの事柄、微妙に関連があるようなないような・・・

  渋く苦い探偵小説。

  途中までは読み進めていくのが面倒だったのですが、半分過ぎればあとはすらすら読めます。米澤穂信の小説は、いつでも妙に引っかかって読み辛い・・・

  醒めきって何か悟ってしまったような主人公・紺屋長一郎のキャラクターが面白かったです。様々な物を突き放す彼の態度は、ダークな世界観とマッチしています。そして、主人公とは対照的なうるさいやつ、ハンペーも面白いです。

  ただし、ハンペー(半田平吉)が図書館に行ったきり登場しなくなってしまうのが釈然としなかった、というか少し寂しかったです。もう1人の主人公のはずなのに。もしかして続編が出るのかも知れない。楽しみです。

  最後にどんでん返しが待っています。不意を突かれます。


自森人読書 犬はどこだ
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