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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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『いのちをはぐくむ農と食』を読みました。基本的な部分においては、著者の主張(日本農業を復活させないといけない)に全面的に賛成だと感じました。ただし、あまり好きになれないような気になる点がたくさんある・・・

まず、食糧からエネルギーをつくりだすバイオエタノール技術を批判して、その上で水素エネルギーを推薦している部分。べつに水素エネルギーをお奨めするのは悪いことではありません。だけど、水素エネルギーにも多々問題点があるのに、それには触れない。フェアとは思えません。

あと、著者は、肉ばかり食べているから最近の子どもは骨が折れやすいと主張します。だけど、「運動不足」など別の問題を考慮にいれない内にそう結論付けるのは、説得力に欠けるのでは? しかも著者の日記をもとに「昔は、小学校の運動会で骨折者はいなかった」と結論付けられても全く信憑性に欠けます。もととなるデータが正確とはいえない。

そして、1番気になった点。
全体的に上から目線・役人目線みたいなものが目立ちます。日本国を強くするために・日本民族の文化を守るために農と食を立て直す、と著者は主張しているようです。だけど、「お国のために」とかいわれるとかえって不気味です。しかも、全体的に漂う懐古主義的な雰囲気・・・
「昔は良かった」「昔は良かった」と何十度も口走っているようでは、若者の心は掴めないと僕は思うんだけどなぁ。そういう言葉ではなくて、「未来に向けて、日本に住む人たち1人ひとりの健康のために考えていこうよ」という言葉のほうが、信頼されると思うんだけど。

つけ加えると、「日本人は食べ物を粗末にする恐ろしい民族」「天罰が下る」という文章も気になります。書かれていることの意味は分かるし、共感するけど、そういう感情的な文章で煽るのはどうかと思う・・・

最近読んだ本
小泉武夫『いのちをはぐくむ農と食』(再読)

今読んでいる本
プラトン『ソクラテスの弁明・クリトン』
遠山啓『現代数学対話』
飯嶋和一『黄金旅風』
山脇直司『社会とどうかかわるか―公共哲学からのヒント』


積ん読
坪内稔典『季語集』
川端康成『伊豆の踊り子』
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