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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★

著者:  酒見賢一
出版社: 文藝春秋

  中国周王朝の政治家、周公旦を主人公にした小説。歴史をもとにしつつもどこまでも自由に想像を広げていった、という感じです。孔子が崇拝したとすら言われる、周公旦の唱えた「礼」とは何か、というのが大きな主題の1つです。

  『封神演義』という物語の下敷きにされたことで、有名な殷から周への易姓革命の時代。その時代をもう少し史実寄りに、だけどやっぱり物語として見ていこう、という感じです。面白いけど、やっぱり前半の戦争のときにはどうしてもほとんど見せ場が無い。まぁしかたないといえばしかたないんだけど。でもしかたないではすまないよなぁ・・・

  呪術的な言葉(礼)の力とか、こういう文体からは、中島敦が連想されます。でも、『周公旦』は、中島敦の小説にはかなわない気がします。なんていうか格調高さでは負けているし、かといって『墨攻』ほどの良さもないような気がするし。

  酒見賢一の作品の中だったら、『墨攻』の方が面白かったです。『周公旦』には『墨攻』のあの流れるようなテンポの良さが全然ない。『周公旦』はきれぎれでもたもたしていて、それでいてどこか軽くて、なんというか読みづらいです。まぁつまらないことはないんだけど。でも読みにくい。


自森人読書 周公旦
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