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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★★

著者:  宮崎駿
出版社: 徳間書店


  発達した人類文明は最終戦争を引き起こしてしまい、破滅します(「火の七日間」)。その後、多くの地域が腐海に呑み込まれていきました。腐海とは、菌類の樹木が繁殖し、蟲たちが跋扈する森のこと。それから1000年余りの年月が過ぎ・・・

  辺境の小国「風の谷」は、腐海のすぐ傍にあるものの潮風によって守られていたため、貧しいものの穏やかに日々を過ごしていました。ですが近くの大国トルメキアが戦争を起こしたことから否応なく争いの渦に巻き込まれてしまいます。風の谷の族長であるジルの娘ナウシカは、メーヴェに乗って空を駆け、風の谷を守ろうとします。その中で、腐海とその地に生きる生物たちを悪と看做すことに疑問を覚えていたため、世界の秘密に気付くことになるのですが・・・

  壮大な物語。宮崎駿の描き出す風景がとても綺麗で、素晴らしいです。

  ただストーリーをたどっていくだけでも物凄く面白いのですが、面白いだけでは終わりません。たくさんのことを考えさせられます。映画とは大きく異なります。漫画は、映画で大切にされていた人間と自然の対立・共存をいかにするか、という問いから離れていきます。

  映画とは違ってナウシカも単純な聖女ではないし、登場人物や世界にも深みが増しているように感じられます。土鬼(ドルク)という勢力が登場します。ドルクとトルキアとの戦争の問題に焦点が当てられます。

  戦争はどこまでも拡大していきます。破滅への道に続くと分かっていながら人間は腐海を生物兵器として使用します。正義というものが見失われていくわけです。現実と似通っています。そして衝撃的なことが明らかにされます。腐海こそが浄化を促進するものだったと判明するのです。「綺麗は汚い、汚いは綺麗」じゃないけど、価値観の逆転が起こるわけです。それでは腐海のこちら側に生きる者はどうすれば良いのか。ナウシカは悩みます。

  自身の価値観が崩壊してしまったとき、どのように振る舞うか、と言う問いに向き合うことに、重きが置かれているように感じました。苦悩の末、ナウシカは生きようと呼びかけます。あらゆる論理を取っ払った後、結局、最後に残る言葉はそれなのかも知れない、と感じました。

  第23回日本漫画家協会賞大賞受賞作。


自森人読書 風の谷のナウシカ
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無題
はじめまして。
私の最も好きな映画です。
風の谷のナウシカ!
漫画もぜひ、読んでみたいと思いました。
久保みき URL 2010/10/10(Sun) 編集
Re:無題
コメント、ありがとうございます! ナウシカ、漫画もとても面白いですよ。もしかしたら、漫画のほうが深いかもしれない、と感じます・・・・
 【2010/10/11】
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