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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  堀江敏幸
出版社: 講談社

  『熊の敷石』
  「私」は仕事のため数年ぶりにフランスを訪ね、旧友ヤンと再会します。そして彼が停泊しているのがアヴランシュだと知り、驚きます。私の仕事は『フランス語辞典』を書いたマクシミリアン=ポール=エミール・リトレの伝記の紹介文と部分訳を作ることであり、アヴランシュはリトレの出身地だったからです。私はヤンと「なんとなく」過ごすうちに、ユダヤ人の苦難の歴史とそれの受け止め方の違いを知り、さらには光を知らない少年とその母カトリーヌに出会います。芥川賞受賞作。

  『砂売りが通る』
  私は亡き友人の妹とその娘とともに海岸を歩きます。そうして様々なことを思うのですが・・・

  『城址にて』
  届けられた写真を見ながら、「驚くべき」事件に遭遇したことを思い出します。全体的にユーモアが感じられます。

  どれもエッセイのような小説。『雪沼とその周辺』よりはまだサクッとしていて、洗練されていない部分もあるような気がします。もしかしたら、島国である日本ではなく、大陸にあるフランスが舞台だからなのかも知れない。

  なぜか川端康成を連想します。仄かに暗がりの香りが漂うところ、不意にぬっと不気味なものが現れるところが似通っているような感じがするのです。川端康成の方がもっと変態的かなぁ。

  川上弘美の解説がまた良いです。解説自体が、まるで1つの作品のようです。


自森人読書 熊の敷石
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