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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★★

著者:  三浦俊彦
出版社: 河出書房

  日向健介と白鷹小夜子は美術大学の学生。二人とも将来の日本画壇を背負って立つと期待されている優れた人たちでした。彼らは卒業制作指導教官であり、画壇の重鎮でもある鏑木聡信教授に誘われ、「前衛工房」なる画廊へ出掛けます。そこではあやしげで危険なコンセプチュアルアート展覧会が行われていました。日向健介は激発し、白鷹小夜子は笑い出すのですが、展示されているものはじょじょに過激になっていき・・・

  あまりにも面白すぎる、と感じた本。

  案内の人とともに、教授と学生の3人が「これは芸術である」「これは芸術ではない」と殴り書きしてある紙が置いてあるだけのところや、剃刀の中をかいくぐらないと見れない絵があるところや、動物が磔にされているところを巡っていくだけなのですが、難解なことはなくて物凄く笑えます。立派な論理というか、屁理屈みたいなものが頻出。

  「正しい」芸術観を持つ普通の人間がコンセプチュアルアートによって崩壊させられていく物語として読むことができます。とにかく笑えます。そして、ゾッとします。一体全体、芸術とは何なんだろうかと考えさせられます。本当は物凄くアブナイものなのだろうか。

  今はもうない過激な芸術展覧会、読売アンデパンダン展を基にしているようです(赤瀬川原平らが出展していたやつ)。どれだけ危険なものだったのだろうか、想像もつきません・・・

  「小説」という形式自体に対する指摘が挟まれているところや、文字の羅列自体をいじくって圧迫感を与えている部分は、ちょっと筒井康隆っぽいかも。三浦俊彦の企みに満ちた小説は本当に楽しめます。


自森人読書 これは餡パンではない
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