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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★

著者:  北方謙三
出版社: PHP研究所

  「楊家将」というのは、精鋭を率いて北方の異民族と激戦を繰り広げ、中華民族のアイデンティティを守った名将、楊業とその一族の物語です。外様ということで軋轢もあり、最終的には悲劇的な死を遂げることとなります。中国では、「楊家将」はとても人気だそうですが、やっぱりそれは悲劇の死という要素がとても大きいのだろうなぁ。判官びいきと一緒です。

  楊業はもともと北漢という国の臣下でした。でも、内側からの圧力と外側からの圧力によって、最終的に宋に降伏することになります。そしてその後、宋に仕えて、異民族の国家、遼(りょう・キタン族)と最前線で戦うことになりました。使い捨てに近い使われ方をされて、もう勝たなければ生き残れないという状況にいつも追い詰められます。

  宋は中国の歴代王朝の中でも、文官の発言力が強い国だったといわれます。そのため軍部の力というのはとても弱くて、建国からずーっと苦労し続けます。地方の軍閥は警戒されて動けず、中央の軍隊も強くない、とするとどうしようもありません。シビリアンコントロールがなりたっていたというよりは軍部がとても恐れられた、ということだと思います。楊業はその中で苦しみながら、戦って戦って戦ってばかりです・・・ それでも戦って基本的には負けず、死ななかったというのは凄いなぁ、と思います。まぁ最期には、味方に裏切られ、子ども達までみんな死んでしまうことになるのですが・・・

  物語自体が日本では知られていませんでしたが、中国では根強い人気だということです。北方謙三が作者な訳ではないのですが、同じなのは物語の骨格だけというほどの意訳みたいです。やっぱり一作では読み比べもできないので、他の小説家の方にも書いて欲しいなぁ。ぜひ田中芳樹にぜひ書いてもらいたいなぁ。書く、書く、といろんなところで言ってるんだから・・・ でもそれで他の物語(アルスラーン戦記)の続編がでなくなったりしたらいやだからそちらを完結させてから、書いて欲しいなぁ。

自森人読書 楊家将
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