忍者ブログ
自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
[1494] [1493] [1492] [1491] [1490] [1489] [1488] [1487] [1486] [1485] [1484]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『乙女の密告』
物語の舞台は、京都の外国語大学。乙女たちは、スピーチコンテストのとき『アンネの日記』を暗誦するため、毎日必死に練習しています。しかし、みか子はいつでも同じ部分から先が分からなくなってしまいます。彼女は忘れることを恐れます。一方、麗子様は練習を続け、トップに君臨します。彼女は、バッハマン教授との仲が疑われています。バッハマン教授は人形を抱きながら通勤します。そして、『アンネの日記』をロマンティックに語るべきではない、と強調するのですが、乙女たちの間には噂が飛び交い・・・

コミカルな作品、なのか。

『アンネの日記』を暗誦する乙女たちの物語。文章は非常に短いし、登場人物たちは特徴的です。だから、読みやすいです。「少女漫画的ではないか」と指摘している人がいるみたいだけれど、よく分からないです。「少女漫画的」という表現は、すでに様々な場面において、濫用されているからです。

素直に読めば、歴史の彼方にある「他者」の経験を暗誦することによって「わたし」のものにしていく過程が綴られている、ということになるのかも知れません。

日本語とドイツ語に通じる小説家と言えば、多和田葉子を思い浮かべます。通じる部分がないことはない気もします。僕は多和田葉子のほうがはるかに好きだけど。

芥川賞受賞作。


読んだ本
赤染晶子『乙女の密告』
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ウェブサイトhttp://jimoren.my.coocan.jp/
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ブログ内検索
最新CM
[07/03 かおり]
最新TB
バーコード
アクセス解析
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright © いろいろメモ(旧・自由の森学園図書館の本棚) All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]