自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
探偵倶楽部は、金を持った特定の人たちにのみ雇われている団体です。依頼を受ければ、何でも調べ、事件を解決していきます。しかし、表立って動くことはありません。『偽装の夜』『罠の中』『依頼人の娘』『探偵の使い方』『薔薇とナイフ』収録。
ミステリ小説。
『探偵倶楽部』というタイトルは印象的ですが、探偵倶楽部の人たちは、それほど活躍しません。彼らは脇役に徹しています。影のような存在なのです。しかし、印象的です。絶対に感情を表さず、依頼者にいつでも正確な情報をもたらします。
事件自体は華やかではありません。しかし、事件の真相が明らかにされていく過程は鮮やかです。よく練られています。それに、ストンと終わります。切れ味が良いです。
『薔薇とナイフ』がとくに印象的。ぞっとするような結末が待っています。東野圭吾は、ぞっとするほど、醒めています。シビアなのです。日本の人間は意味もなく血縁に意味を見出すのだし、世間には俗なことを好む俗物が溢れているのだというような認識が根底にはあるみたいです。
しかし、淡白なので、その冷淡な視線は印象に残りません。巧いのかも知れません。怖いほど、冷淡なミステリのはずなのに、多くの人間が普通に読んでいるのだから。
角川書店。
読んだ本
東野圭吾『探偵倶楽部』
読んでいる最中
コードウェイナー・スミス『ノーストリリア』
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