自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
王寺ミチルは、演劇を熱狂的に愛する女性でした。彼女は脚本家・演出家・主演俳優として小さな劇団カイロプラクティックを主宰する一方で、様々な女性の家を泊まり歩く毎日を送っています。少年のような容姿が女性をひきつけるのです。ミチルの周りには立ち代りに様々な女性が現れます・・・
演劇の面白さ、怖さを存分に思い出させてくれます。
読んでいると中小の劇団の現状がちょっとだけわかって面白いです。慢性的な金欠とめまぐるしい人の入れ替わりのために劇団を存続していくこと自体がまず困難なのだけど、大劇団のように売り上げを重視して演劇とはいえないような安全なものをつくりたくはないという強烈な自負心に支えられ、必死で頑張っているらしい。凄いな、と感じます。
それにしても、どうして表現を生業とする流れ者の人たち(演劇とか、大道芸とか、舞踊とか)はくっついたり離れたり恋愛ばかり繰り返しているのだろう。やっぱり色気を保つことが大切だからなのかなぁ・・・
中山可穂のデビュー作。
今日読んだ本
中山可穂『猫背の王子』
今読んでいる本
池澤夏樹『スティルライフ』
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