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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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『甲賀忍法帖』
時は江戸時代初期。徳川家康は、ぼけっとした竹千代と利発な国千代のどちらを第三代将軍にするべきかとひどく悩んでいました。思い余って家康が天海僧正に悩みを打ち明けらると天海は恐ろしいことを提案します。それは「400年来の怨敵同士、伊賀・甲賀の忍者たちをそれぞれ竹千代、国千代につけて戦わせ、勝った側を次期将軍につけたら良い」というものでした。家康はそれをのみます。そして、彼の命に従い、最初から仲の悪かった伊賀組十人衆と甲賀組十人衆は死闘を繰り広げることになります・・・

1959年に出版された忍法帖もの第1作目。

敵味方に分かれて戦うことになってしまう悲劇のカップル、甲賀弦之介と伊賀の朧の運命はとても気になります。

ナメクジ男、血を噴射する女、髪を束ねた黒い鞭を駆使する美少年、何度殺されても蘇る男などなどが次々登場し、大乱戦を繰り広げます。山田風太郎の忍法帖シリーズさえあれば、少年漫画など読まなくても良いかなぁ、と思うほど。というか、山田風太郎が少年漫画の原型なんだろうなぁ・・・

冒頭にある真面目な歴史の講釈、次から次へと現れては驚愕の技を繰り出す人間を超えたトンデモ忍者たち、真面目腐っているけど全く説明になっていない忍術の説明、適度のエログロナンセンスが妙な味をかもし出しています。しかし、細部がおかしいだけでなくて、物語の骨格もしっかりとしており、面白い。笑えるのに哀しい。


今日読んだ本
山田風太郎『甲賀忍法帖』

今読んでいる本
堀江敏幸『熊の敷石』
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