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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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『窓の灯』
私は大学を中退して、喫茶店に勤めています。店の主ミカド姉さんは全ての人間を平等に扱います。だから、ミカド姉さんの部屋には、毎夜、様々な男が訪れます。私はミカド姉さんの部屋に注意しながら、向かいの部屋の窓の中を覗きます。そして、時折夜の街を徘徊しながら、人々を観察するようになるのですが・・・

小説。

微妙、と評されているようです。しかし、悪くないのではないか、と感じます。基本的に淡泊かつ平明です。それなのに、簡単に読み取ることはできません。

妙に濁ったものが含まれているような気もします。現実の世界の中では、全てのものは、良い面と悪い面を併せ持ちます。良いだけのものはありえないのです。『窓の灯』という小説はそういう二面性を巧みに描き出しているのかも、と思います。

感情はくくることができないのではないか、と『窓の灯』を読んでいて思いました。ミカド姉さんに対する私の想いは複雑です。羨望、嫉妬、尊敬、嫌悪などが入り混じっているからです。ある時は、「ミカド姉さんは女の手本だ」と思い、ある時は「ミカド姉さんなんて娼婦みたいなものだ」と思います。その二つの思いは、たぶん、私にとっては同じように真実なのです。

それから、私は、多くの人間を他者だと思い、遠くから眺めるだけです。その距離感の描写も秀逸ではないか、と感じました。

第42回文藝賞受賞作。


読んだ本
青山七恵『窓の灯』
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