自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
戦時中、感化院の少年達は厄介者扱いされ、山奥の僻村に疎開させられます。待っていたのは閉塞的かつ抑圧的な環境でした。少年達は、動物の屍を大量に埋めることを命じられます。彼らは大人の指示に従います。ですが、仲間が死んだ夜に厄病を恐れ、村人たちは去っています。少年達は生き延びようとして村を荒らし、食糧を漁り、自分達の世界を築こうとします。そして朝鮮人の少年や脱走してきた兵士や、母を疫病で失った少女とともに生活するのですが・・・
長編小説。再読。
文体は硬いし、登場人物に名前がついていないし、死や生を想起させる表現は随分とグロテスク。いかにも文学的。しかし、少女との恋などが挟まれているため読みづらくはありません。
『芽むしり仔撃ち』とは、そのままの意味。大人達は、疫病が発生した村の中に少年達を閉じ込め、出てこようとするとさらに銃口を向けます。そして、早いうちから悪い芽は毟り取っておくのだのだと言い放ちます。
生き延びるため、自分達の世界を築こうとする少年達。村という共同体を形作り、少年達を異物として軽蔑しつつ踏みにじる村人/大人達。その二者の力関係は結局のところ最後まで変わりません。少年達が抑圧されずに力を発揮できるのは村人達がいない間だけです。彼らの結束は弱すぎて、大人に敵いません。
むしろ集団でいるからこそ、さらに巨大な集団の中に組み込まれると対抗できず、あっさりと屈してしまうのかも知れません。絶望的に感じられます。
しかし、ラストに希望がないわけではない気もします。僕は大人達に屈服させられることを拒み、仲間から離れて暗い森へと飛び込んでいきます。彼の前途には何が待ち受けているのか分からないから、希望とはいえないかもしれないけど・・・
読んだ本
大江健三郎『芽むしり仔撃ち』(再読)
読んでいる本
フランツ・カフカ『失踪者』
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