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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  北方謙三
出版社: PHP研究所

  『楊家将』の続編。オリジナルの物語。

  楊業亡き後、辛くも生き延びた六郎延昭・七郎延嗣が、楊家軍を再興。南宋を守るべくもう一度立ち上がります。一方、楊家軍の宿敵である耶律休哥は、石幻果(実は、記憶を失った四郎延朗)という優れた弟子を育成する傍ら、またもや南宋との戦いに参加してきます。そうして、再び激しい戦いが巻き起こることになります・・・

  中国の架空歴史小説。

  「涙なしには読めない」というけど、確かに悲しい結末が待っています。石幻果の苦悩と動向が見どころではないかと感じます。自分が、実は四郎延朗であると気付いてからの彼は苦しみ続けることになります。

  面白いのですが、好きになれない部分もあります。北方謙三は、原作の持つ荒唐無稽な展開や、おどろおどろしい魔法的な力、つまり伝承・伝説のような部分を全部削ってしまい、やたらと悲壮感ばかりを強調します。そういうふうに意訳してしまったら、中国の歴史小説ではなくなってしまうのではないか、と感じることもあります

  『楊家将』を、安能務や山田風太郎に超訳して欲しかった、と感じました。というか、とにかく北方謙三以外の人の書いた『楊家将』が読んでみたいです。そうしたら、どれほどぶっ飛んだ物語になっただろう。


自森人読書 血涙 ―新楊家将
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