忍者ブログ
自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
[1311] [1310] [1309] [1308] [1307] [1306] [1305] [1304] [1303] [1302] [1301]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



著者:  小川糸
出版社: ポプラ社

  喋れなくなってしまった女性が、1日1組の客しかいれない田舎の食堂「食堂かたつむり」を経営するという物語。

  おとぎ話。とても生きていけるとは思えません。よほど資産家の親とかがいるなら別だけど。親のおかげで生きていけるとするなら、そのお店はおままごとじゃないか。ストーリーが、あまりにも都合よく展開していきます。「ケータイ小説」をバカにする大人たちがこれを推薦するというのは意味が分からない。

  死にかけたうさぎにビスケットをあげたら生き返った、というストーリーがあるのですが、それはうさぎの健康によくないです。わざわざ病気にしているようなもの。うさぎは草食の生き物なんだから。フィクションだから良いのかなぁ。

  あと。癌になったおかん(母)のペット、エルメス(豚)を食べてしまうという時の言い訳が納得できません。「おかんが死んだあと悲しまないように」「生き物をありがたくいただく」って、それはすなわち生け贄じゃないか。人間の勝手な理由のために殺しているのに、「それがエルメスにも伝わったようで大人しく殺された」。しかも、食べちゃった後に「エルメスは私の中に生きている」と言い出すのです。それは自己満足ではないか。動物を、勝手に自分の思考の尺度に押し込んで殺しているだけではないか。

  それならば、死んだお母さんだって食べて良いという道理になります。カニバリズムに結びつくわけです(『バルバラ異界』『ダレン・シャン』などを連想)。でも、それは都合が悪いから、最後の最後に「死んだ鳩にお母さんが宿った」というふうに思いこみ、鳩を食べておしまいにします。

  非常に中途半端というかどこもかしこも辻褄があわないです。そもそも何故、主人公が喋れなくなるのか。その必要性はどこにあったのか分からないのですが・・・


自森人読書 食堂かたつむり
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ウェブサイトhttp://jimoren.my.coocan.jp/
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ブログ内検索
最新CM
[07/03 かおり]
最新TB
バーコード
アクセス解析
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright © いろいろメモ(旧・自由の森学園図書館の本棚) All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]