自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
女子高生サヤは、所謂「いまどきの高校生」です。彼女はイザベラに喫茶店で出会います。一方、軽いノリの同級生カツオはマックンと抱き合っています。そうしている内に、不気味な大学生とも親しくなります。担任教師のソノダヤスオは教員としての仕事にうんざりしていて、日々悩んでいます。そして、不気味なナミコはそういった人たちの様子をじっと眺めていて・・・
奇怪な小説。
さらりさらりと読めてしまいますが、意外に難しいです。球形時間とは何なのか最後まで明示されることはありません。日本に流れているのが球形の時間なのではないか、という指摘とも受け取れます。
言葉はふわりふわりと浮かんでいます。サヤは言葉で遊びます。
全体的に捉え難いし、それが故にいまいちよく分からないのですが、何を言いたいのか分からないからといって、文句をつけるのは間違っているような気がします。作品の世界そのものが、そういうふうになっているからです。
作品自体が、なんとなく、気持ち悪いけれど、その気持ち悪さは、日本の気持ち悪さなのではないか、と感じます。教室の中には個人が存在しません。そして、正しそうな理論を掲げている人たちも、結局のところ生理的な快・不快に則って行動します。その空間の中にある人たちは連結し、女性から表出する「もの(月経や毛)」を徹底的に消そうとします。そして、その過度な発露が、ナミコです。
物語として完成されていないように思えるし、気持ち悪いけれど、実はこの作品こそが、日本というものを表しているような気もします。
読んだ本
多和田葉子『球形時間』
読んでいる最中
スティーヴン・ミルハウザー『イン・ザ・ペニー・アーケード』
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