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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★

著者:  山崎豊子
出版社: 新潮社

  恩地元は国民航空の職員としてアフリカナイロビに一人滞在しています。彼は狩りや登山などに打ち込みつつ、僻地ナイロビに左遷されるまでの経緯を思い出します。かつて、彼は国航労働組合の委員長職を無理やり押し付けられました。彼は、その仕事を踏み台にして出世する人間にはならず、経営陣の言いなりになっていた労組を民主化。そして、劣悪な職場環境を改善するため、労働者の熱烈な支持を受けつつ経営陣に真正面から挑みかかり、航空会社として初めてのストを打つのですが経営者からはとにかく煙たがられ・・・

  事実を基にした小説だそうです。

  主人公・恩地は事故が起きることを阻止するため、一途に職場環境を改善しようとしただけなのにそれだけでアカというレッテルを貼られ、追い詰められます。そして、衛生環境の悪い僻地に飛ばされ、その上いつになっても日本に帰してももらえません。あまりにも悲惨です。ですが、彼はだからといって卑屈になることはありません。立派です。

  経営者の論理ばかりが尊重され、労働者/客の側に立てば何年にも渡って僻地に放逐されることになる企業というのはどう考えてもおかしいと感じられます。しかし、今でもそういう状況はさほど変わっていないかも知れません。今でも、日本では権利を主張することがなぜか自分勝手なことというふうに言われ、思われているようです。

  随分と分厚いのだけど、読みづらいことはありません。小説としての構造が明快だからです。生真面目に正義を貫く恩地と腹黒い経営者の対立が軸となっています。事実はもう少し複雑なのかも知れないけど、このくらい明快な方が小説としては分かりやすくて良いかも知れません。

  おかしな現実をすっぱりと描き出す著者・山崎豊子も立派な人だと感じます。

  続きも読まなきゃ・・・


自森人読書 沈まぬ太陽〈1〉 アフリカ篇
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