自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
『熊の敷石』
「私」は仕事のため数年ぶりにフランスを訪ね、旧友ヤンと再会します。そして彼が停泊しているのがアヴランシュだと知り、驚きます。私の仕事は『フランス語辞典』を書いたマクシミリアン=ポール=エミール・リトレの伝記の紹介文と部分訳を作ることであり、アヴランシュはリトレの出身地だったからです。私はヤンと「なんとなく」過ごすうちに、ユダヤ人の苦難の歴史とそれの受け止め方の違いを知り、さらには光を知らない少年とその母カトリーヌに出会います。芥川賞受賞作。
『砂売りが通る』
私は亡き友人の妹とその娘とともに海岸を歩きます。そうして様々なことを思うのですが・・・
『城址にて』
届けられた写真を見ながら、「驚くべき」事件に遭遇したことを思い出します。ユーモアが感じられます。
どれもエッセイのような小説。
なぜか川端康成を連想します。仄かに暗がりの香りが漂うところ、不意にぬっと不気味なものが現れるところが似通っているような感じがするのです。川端康成の方がもっと変態的かも知れないけど。
川上弘美の解説がまた良いです。
今日読んだ本
堀江敏幸『熊の敷石』
堀江敏幸『砂売りが通る』
堀江敏幸『城址にて』
今読んでいる本
三浦俊彦『これは餡パンではない』
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