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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  恩田陸
出版社: 双葉社

  アジアの西の果て。昔から、「存在しない場所」または「あり得ぬ場所」と呼ばれる、白い矩形の構造物があった。その中に入り込んだ人間は誰も帰ってこないという。そこへその謎を解くために満が呼ばれる。彼は、神原恵弥、スコット、セリムとともに、その地に1週間とどまることになるのだが・・・

  途中までは、ぐいぐいと引っ張られています。どこかの政府による陰謀なのではないかとか、いやいやそうじゃなくて建物自体が生き物なのではないかとか、色々な推理が提示されるのですが結局分からないまま、最後までその謎の解決が引っ張られていきます。もう読むのが止まりません。★5つ間違いないのではないかという気すらしてきます。

  それなのに、物語が収斂していき、ラストを迎えると何故だか「面白かったー!」と言えない。恩田陸の小説はだいたいどれもそうです。期待させておいて、なぜだか萎んでしまいます。『MAZE(めいず)』は、恩田陸の作品の中ではまだマシというか、よくまとまっているほうじゃないかなぁ、多分。

  恩田陸の小説って、とにかくラストが盛り上がらなかったり、ぐだぐだだったり、まとまりがなかったり、いまいちすっきりしません。ライオンがいるかと思ったら猫だった、どころじゃなくて、ライオンがいるかと思ったら幻想だった、みたいな感じで結局のところなんなんだ、と言いたくなるようなものが多い。だから「物語の終え方が下手」という人もいます。

  だけどこれって多分わざとやっているじゃないかなぁ、という気がします。あえて読者にカタルシスを与えず、もやもやな気分にさせているのではないか。それはそれで面白いです。ちょっと読後感が気持ち悪いけど。


自森人読書 MAZE(めいず)
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