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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★

著者:  貴志祐介
出版社: 角川書店

  小説家・高梨は病的なまでの死恐怖症でした。しかし、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加し、アマゾンへ赴いてそこであることを経た後、人格が変貌。異様なまでの性欲と食欲を示し、その後、死に魅せられ、自殺してしまいます。彼の恋人で終末期医療に携わっている精神科医・北島早苗は彼氏の死に対して不審を抱き、アマゾン調査隊のことを調べ始めるのですが・・・

  SF風味のホラー小説。

  一応、SFに入れておくけど、ホラーに分類するのが正しいと思われる作品。タイトルと中身のギャップが激しいです。かなりグロい物語です。気持ち悪さではピカイチかも知れない。予想できるところへ物語は突入していくのだけど、やっぱり圧倒されます。

  現代を舞台にしているわけですが、それを意識させる要素がてんこ盛りです。環境破壊の問題、新興宗教の問題、終末医療の問題などなどが詰め込まれています。そして、エロゲーにはまる自閉的な青年の気持ち悪さなどもはっきりきっちりと描写されています。まぁ自業自得なのだけど、最後にはかわいそうだなぁとも感じました。貴志祐介はそこまで計算しているのだろうなぁ、多分。単純なキモさだけが際立つキャラにはしていない。

  過剰なまでにいろんな情報が詰め込まれています。現代社会というものの病理みたいなものを抉っていこうとしている部分には共感しますが、枝葉にばかりこだわるのでやたらと長いです。多分、綺麗におさめようとしたら半分以下で済んだと思うんだけど・・・

  まぁ綺麗ではないから良いのかもしれない。それに、読みづらくはない程度だし、まぁ良いのだろうか。

自森人読書 天使の囀り
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