自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
★★★★★
著者: 藤枝静男
出版社: 新潮社
主人公はモグリの骨董屋(実は彌勒菩薩の化身)。彼は、池に3つの陶器を放り込んでそれらがどのように変化するかを確かめていたのですが、そのうちそれらの陶器は好き勝手を始めます。グイ呑みは、C子(金魚)と愛し合い、丼鉢は空を飛びゆき、茶碗は、モグリの骨董屋を仏と知らずに、古美術商の手ほどき行い・・・(神様に何を教えるというんだろうか・・・)
そういった日常を主人公と陶器たち、四者の視点から描いています。
物語は、けっこう淡々と進むんだけど、中身はぶっ飛んでいきます。洒脱な語り口が良いです。読みやすい。一応作者が私小説を書いている人だから、「私小説です」みたいなふうになっているけど、これって立派なファンタジーではないか。読んでいて笑える傑作。
谷崎潤一郎賞を受賞した作品を追っていこうと思い、読んでみたのが、『田紳有楽』。
小難しそうな解説がついていたので、最初は警戒していました。しかし、読んでみたら面白くて逆にびっくりでした。よく分からない解説は読者を遠ざけるから、むしろ取っ払った方が良い気がする・・・ その解説は次のような感じ。「あくまで私小説に徹し、自己の真実を徹底して表現し、事実の奥底にある非現実の世界にまで探索を深め、人間の内面・外界の全域を含み込む、新境地を拓いた、“私”の求道者・藤枝静男の「私小説」を超えた独自世界。」。よく分からない・・・
素晴らしい快作。そういえば、『聖おにいさん』を連想しました。
第12回谷崎潤一郎賞受賞作。
自森人読書 田紳有楽
著者: 藤枝静男
出版社: 新潮社
主人公はモグリの骨董屋(実は彌勒菩薩の化身)。彼は、池に3つの陶器を放り込んでそれらがどのように変化するかを確かめていたのですが、そのうちそれらの陶器は好き勝手を始めます。グイ呑みは、C子(金魚)と愛し合い、丼鉢は空を飛びゆき、茶碗は、モグリの骨董屋を仏と知らずに、古美術商の手ほどき行い・・・(神様に何を教えるというんだろうか・・・)
そういった日常を主人公と陶器たち、四者の視点から描いています。
物語は、けっこう淡々と進むんだけど、中身はぶっ飛んでいきます。洒脱な語り口が良いです。読みやすい。一応作者が私小説を書いている人だから、「私小説です」みたいなふうになっているけど、これって立派なファンタジーではないか。読んでいて笑える傑作。
谷崎潤一郎賞を受賞した作品を追っていこうと思い、読んでみたのが、『田紳有楽』。
小難しそうな解説がついていたので、最初は警戒していました。しかし、読んでみたら面白くて逆にびっくりでした。よく分からない解説は読者を遠ざけるから、むしろ取っ払った方が良い気がする・・・ その解説は次のような感じ。「あくまで私小説に徹し、自己の真実を徹底して表現し、事実の奥底にある非現実の世界にまで探索を深め、人間の内面・外界の全域を含み込む、新境地を拓いた、“私”の求道者・藤枝静男の「私小説」を超えた独自世界。」。よく分からない・・・
素晴らしい快作。そういえば、『聖おにいさん』を連想しました。
第12回谷崎潤一郎賞受賞作。
自森人読書 田紳有楽
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