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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  保阪正康
出版社: 平凡社

  松本清張は昭和史をどのように捉えていたのか、という問いを取り上げたのが『松本清張と昭和史』。具体的には、『昭和史発掘』と、『日本の黒い霧』を掘り下げ、それらを引用しながらすすんでいきます。入門書みたいな感じ。とても分かりやすいです。

  そもそも松本清張とはどのような人なのか、というと。1909年生まれ。家が貧しかったため、小学校までしか卒業できず、戦時中は給仕、版工などの職を転々としました。戦後になってから(1953年・44歳)、『或る『小倉日記』伝』で芥川賞を受賞してデビュー。1958年に、推理小説『点と線』『眼の壁』を発表。「社会派推理小説」という分野を築き上げ、それから一躍人気作家となりました。

  彼はとにかく多作です。しかも多彩な分野で活躍しました。推理小説、歴史小説、古代史の発掘、昭和史を見つめたノンフィクションなどいろんな小説を書いています。政治にも深い関心を持ち、「民主主義者」としていろんな発言を行っています。共産党を支持したから「左翼」と叩かれたけど、それでいて広範囲から支持を得ていました。戦後民主主義を擁護し、弱者の側に立って世の不正を暴くというそのスタンスが彼を国民的作家に押し上げたと言われます(というので、だいたいの紹介になっているかなぁ・・・)

  この『松本清張と昭和史』では、昭和史を見つめたノンフィクション(『昭和史発掘』と、『日本の黒い霧』)が取り上げられています。2.26事件を起こした青年将校や数々の「謀略」を行うGHQに対する松本清張の怒りというのは共感できるなぁと感じます。

  著者は、松本清張の持つ歴史の見方を「清張史観」と呼んでいるんだけど(「司馬史観」のまねか)、けっこう面白いです。とても考えさせられます。「2.26事件は昭和史の中で最も重要視すべき」という意見を世間に広めたのは松本清張だそうです。そうだったんだ・・・


自森人読書 松本清張と昭和史
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