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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★

著者:  高橋克彦
出版社: 講談社

  「浮世絵三部作」の二作目にあたる作品。'87年には、第40回の推理作家協会賞(長編)を受賞したそうです。続編なので、前の『写楽殺人事件』のときの絡みみたいなものがたくさんでてきます。『写楽殺人事件』を先に読んでおけばよかったなぁ、と後悔しました。

  歴史と、現代に起きた事件をからめるミステリというのは、たくさんあります。だけど、上手く書ききることは至難の業です。たいてい上手くいっていない、と言ってもいいくらいです・・ しかし、『北斎殺人事件』は、かなり歴史と現代の事件をからめていて、さすがだなぁ、と思いました。北斎=隠密説は面白かったです。北斎=隠密説っていうのは前に聞いたことがあったんだけど、その説は『北斎殺人事件』がでどころだったのかも、と思いました。

  読んでいて、浮世絵への作者の並々ならぬ熱意を感じました。しっかり浮世絵を知っていて、それに興味がある人じゃないと書けない作品だなぁ。岡倉天心、フェロノサらが評価した絵はどれだけ凄い絵なのか、と滔々と語ってくれるので楽しいです。あと、歴史に名を残す有名人、大塩平八郎、高野長英らがちょこっと登場するのも良いです。とても興味をそそられる。自分でも調べてみたいなぁ、と思いました。

  葛飾北斎という人が、明治時代の終わりぎりぎりまで生きていたとは知りませんでした。てっきり江戸時代中期くらいの人かと思い込んでたんだよなぁ・・・ とても勉強になりました。

  ★5つにしても良い位面白いです。


自森人読書 北斎殺人事件
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