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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  日野啓三
出版社: 新潮社

  『あの夕陽』は日野啓三の短編集。『あの夕陽』『野の果て』『無人地帯』『対岸』『遠い陸橋』収録。

  『あの夕陽』
  ソウルから帰ってきた主人公の新聞記者は、ミス李なる朝鮮人のことを思っています。そして、自分に言いなりの妻と別れようとするのですが別れる気力すらわきあがってきません。そうして彼は、何も決断できぬまま銭湯へゆきます。芥川賞受賞作。

  『野の果て』
  主人公は、海鳴りの聞こえるあばら家のよう場所で生きているおばさんのもとを訪ねます。彼らは朝鮮から引き上げてきたという共通点があるため、何らかのつながりを感じているのですが・・・

  『無人地帯』
  韓国と北朝鮮の狭間にある非武装地帯に興味を持った記者は、そこへ赴き、教員の女性と出会い、そして輪郭のはっきりとしない彼女にひかれます。偶然トラックに置いていかれてしまい、学校で女性と夜をともに過ごすのですが・・・

  『対岸』
  街に疲れ、何もないきれいな対岸に渡りたいと願う男の物語。彼は仕事の中で時間を見つけ・・・

  『遠い陸橋』
  今度は息子が登場。『あの夕陽』の続編らしき作品。

  味わい深い作品ばかりです。エッセイのようでもあります。半分くらいは、著者自身の姿をそのまま写し取っているのではないか。淡白なのですが、主人公の虚無というか、気だるさが強く感じられます。男たちは皆、妙に自閉的。

  その背景にあるのは、かつての第二次世界大戦や、朝鮮戦争なのだけど、それらは妙にぼんやりとしています。全体像がはっきりしないのです。けど戦争というのは、そういうものなのかも知れない。かっちりと形を掴むというのは不可能な気がします。


自森人読書 あの夕陽
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