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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  松尾スズキ
出版社: 文藝春秋

  主人公は、オーバードース(薬物過剰摂取)で精神病院送りになった佐倉明日香。彼女は、彼氏と大喧嘩したあとに薬品を摂取し、自殺しかけて入院します。そして、精神病院の中でいろんな「異常」な人と出会い、嫌悪感を覚えながらも、もしかして自分も異常なのではないかと悩みます。そして、何やら自分の記憶は薬を飲んだ後から欠落しているらしいと気付いて、悩みます・・・

 クワイエットルームというのは、女子だけの閉鎖病棟の中の保護室のこと。主人公も、時折その部屋に入れられたりします。

  第134回芥川賞候補作。ということは、「純文学」なのか。僕は、純文学っていうのは、もっと府に落ちない・割り切れない感じの作品のことだと思っていたんだけど、最近は変わってきたみたいです。「文学賞メッタ斬り」とかで有名な書評家、豊崎由美もそんなようなことを書いていて納得します。芥川賞候補になっているけど、そのまま直木賞候補にもなれそうな人がどんどんでてきている、そうです。

  きたなさを感じさせるような、エグい描写もあるけれど全体的に重々しさとかはなくて笑えます。1番最初に「どこかの店で見世物として、ゲロを飲んで口をそそいでいる」という悪夢みたいなシーンがあって、うわー何なんだ、と思うけどそこでガツンときたらもうあとは読めてしまいます。まぁ芥川賞候補作なので、中篇小説だし(芥川賞候補になれるのは、短編もしくは中篇。なので、長編は候補にならない)。

  松尾スズキは、もともと舞台をやっている人。戯曲『ふくすけ』とかを前読んだことはあったのですが、小説を読んだのは始めてでした。つまらないことはないけど、そこまで凄い、とは思わなかったです。まぁ読んで損はしないと思うけど、別にお薦めでもない、かなぁ・・・


自森人読書 クワイエットルームにようこそ
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