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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  保坂和志
出版社: 講談社

  競馬を気に入っているぼくという男が主人公。ぼくは最近、子猫に惹かれるようになり、餌をあげるようになります。しかし、なかなか寄ってきてはくれません。子猫ではなく、アキラ、よう子、島田といった自主映画作りに取り組む若者たちがぼくの家へ次々と現れます。彼らとの日々は非常にたわいもないものでした。最後、彼らはアキラが運転手として連れてきたゴンタとともに海へ赴きます・・・

  様々な人間たちと、その関係を描いた作品。保坂和志のデビュー作。

  なにげない日常をさりげなく描いた小説のように見えます。しかし、決して普通の小説ではありません。個々のキャラクターや物語の粗筋ではなくて、場の空気や人間同士の関係が主題として据えられているところは非常に挑戦的。

  四方田犬彦の解説がとても良いです。書いてあることがいちいちもっともなので、とくに付け足すことがないのですが・・・ 「小説家を目指しながらそれを諦め、映画作りに専念するゴンタという人物の思考・視点が、作者の思考・視点と一致している」と解説者は指摘していますが、その通りだなぁと感じました。

  普通の映画というものは喋っている人間を画面の中心にもってきます。しかし、そうではなくてそれを聞く側の動きや、全体の空気や些細な部分こそが肝要なのではないか、とゴンタは語ります。なかなかに意味深長です。ゴンタの言葉が『プレーンソング』という作品自体を説明していると言えます。少々説明過多な気もしたけど、それくらいしっかり説明してくれた方がわかりやすいか。

  人間は一人で存在することは出来ず、関係や空間によってつくられる、という思想が語られているような気がしましたが、その部分にも共感します。

  小説や世界の構造というものについて考えさせられる小説。


自森人読書 プレーンソング
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