自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
★★★★
著者: 西村賢太
出版社: 講談社
短編集。『墓前生活』『どうで死ぬ身の一踊り』『一夜』収録。
3つの短編とも、芝公園で凍死した無頼作家・藤澤清造に共感を覚えている私が主人公。私は6歳年下の女と同棲するようになり、彼女の給料で暮らし、彼女の親から借りたお金で藤澤清造全集を出そうとします。しかし些細なことで逆切れし、彼女に何度も暴行を加え、そのたびに彼女は実家へ帰ってしまうのですが、その途端に私は卑屈な態度をとり、戻ってくるように懇願し・・・
あまりにも無惨で救いがたいダメな男の日常を綴った陰惨な私小説。
本当に笑えます。なんというか、凄いというしかないです。トイレの蓋があがっていなかったからと言って女に対して激怒し始めるところなどは、もうなんとも言いがたい。そもそも同居している女性のことを「女」としか表記しないこと自体が反時代的です。
しかし、それでいて文章は非常に端正なのです。藤澤清造というマイナーな作家への思慕を切々と書き綴っていることからも分かるとおり、著者は日本の小説をたくさん読み、『どうで死ぬ身の一踊り』を書いているのだろう、と思います。
主人公のような人と接したいとは思わないし、全然共感もできないけれど、『どうで死ぬ身の一踊り』という小説自体は暗いのに笑えて面白いです。
西村賢太ってどのような人なのだろう・・・
自森人読書 どうで死ぬ身の一踊り
著者: 西村賢太
出版社: 講談社
短編集。『墓前生活』『どうで死ぬ身の一踊り』『一夜』収録。
3つの短編とも、芝公園で凍死した無頼作家・藤澤清造に共感を覚えている私が主人公。私は6歳年下の女と同棲するようになり、彼女の給料で暮らし、彼女の親から借りたお金で藤澤清造全集を出そうとします。しかし些細なことで逆切れし、彼女に何度も暴行を加え、そのたびに彼女は実家へ帰ってしまうのですが、その途端に私は卑屈な態度をとり、戻ってくるように懇願し・・・
あまりにも無惨で救いがたいダメな男の日常を綴った陰惨な私小説。
本当に笑えます。なんというか、凄いというしかないです。トイレの蓋があがっていなかったからと言って女に対して激怒し始めるところなどは、もうなんとも言いがたい。そもそも同居している女性のことを「女」としか表記しないこと自体が反時代的です。
しかし、それでいて文章は非常に端正なのです。藤澤清造というマイナーな作家への思慕を切々と書き綴っていることからも分かるとおり、著者は日本の小説をたくさん読み、『どうで死ぬ身の一踊り』を書いているのだろう、と思います。
主人公のような人と接したいとは思わないし、全然共感もできないけれど、『どうで死ぬ身の一踊り』という小説自体は暗いのに笑えて面白いです。
西村賢太ってどのような人なのだろう・・・
自森人読書 どうで死ぬ身の一踊り
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